藤井先生も通った「ふみもと子供将棋教室」の詰将棋勉強法
こんにちは。管理人のときんです。
今回は、藤井聡太先生の将棋の基礎を作った詰将棋の勉強法についてのお話です。
ふみもと子供将棋教室
藤井聡太先生が初めて通った将棋教室が、瀬戸市にあるふみもと将棋教室です。
ふみもと教室では、ちょっとユニークな「目隠し詰将棋」という勉強法を採用しています。
目隠し詰将棋がどのようなものかについて解説する前に、通常の詰将棋の勉強法について触れておきますね。
詰将棋の勉強法いろいろ
詰将棋本を普通に解く
読んでそのままの意味ですが、素直にそのまま解きます。
タイムトライアル(タイムアタック)
これは、例えば五手詰200問を掲載した本など、解答の制限時間を決めて、その時間内に決めた問題数が終わるように解く方法です。
余談ですが、このやり方をするには、浦野先生の「○手詰ハンドブック」シリーズなどがやりやすいですね。同じ本を2冊用意し、1冊を子供に、もう1冊を保護者が答え合わせに持って同時進行で解き進めるとやりやすいですよ!
逆さまにして解く(逆詰将棋)
これは、本を逆さまにして、玉を手前にして、自玉が攻められているつもりになって解く方法です。凌ぎ、受けの練習になり、頓死を減らす効果があります。
そのままこのコンセプトで書かれた名著もあります。
盤面をパッと見て覚えて、解答する
これは一瞬だけ盤面を見て覚え、記憶に残った脳内盤をもとに解く方法です。
脳内盤形成に役立ちます。実践では盤に触れて試しに動かしてみる、ということはできませんから、脳内盤は重要です。
盤に並べて解く
これは、実際に盤に駒を並べて、駒を動かしながら詰将棋を解く方法です。
将棋を始めたばかりで詰将棋に慣れていない方、長手数の詰将棋をじっくり解いて楽しみたい方向きの方法です。
増田康宏先生のお母様が、増田先生がまだ小学生だったころ、帰宅時間に合わせて毎日盤駒10組分の詰将棋や次の一手を並べて待機して解かせていたという逸話があります。
このように、一冊の詰将棋本でも、様々な勉強方法があります。
ふみもと教室の「目隠し詰将棋」
では、ふみもと教室の「目隠し詰将棋」とは何でしょうか?
これは、符号を読み上げてもらい、その符号を元に脳内盤を作り、そこから詰将棋を解くという、にわかには信じられないハードな練習方法です。もちろん盤面は見ません。
実際の問題はこのような感じになります。
<例題>1手詰
①玉方)3二玉、4三歩、4四角
②攻め方)2四歩、3四桂、4二銀
③持ち駒)金
※①、②、③を誰かに読み上げてもらい、脳内盤を作ってから解いてみてください。
(回答は記事末尾「まとめ」にあります。)
「ふみもと子供将棋教室の詰将棋武者修行」より
ときんは、以前、ふみもと教室生で研修会に所属しているお子さんとお話ししたことがあります。
そのお子さんに、何の気なしに、普段何手詰を解いているか尋ねたら、7〜15手詰が多いと言われました。
研修会の子なのに意外にも短手数が多いんだなと思い、
「どんな勉強しているの?」
と聞いたところ、この目隠し詰将棋について教えてくれました。
親御さんが符号を読み上げ、脳内盤を作ってそれを元に解くと。
初めてそのやり方を知った時は、かなりの衝撃でした。
そして、こちらは本家・藤井先生が目隠し詰将棋を解答する様子。問題を聞いてから回答まで、驚異的なスピードです!
詰将棋ノート
また、ふみもと教室の子の特徴は、目隠しの他にもう一つありました。
それは、詰将棋ノートです。
A4ノートの上半分に課題の詰将棋の盤面図を書いたノートで、下半分に解答を書くシンプルなものです。
そのノートを常に持ち歩き、ちょっとした隙間時間に広げては考え、広げては考えして、一つ一つの問題をじっくり解くのです。
これは実に新鮮なやり方でした。
目隠し詰将棋は難しいですが、詰将棋ノートならすぐまねできそうです。
長手数の難問など、ノートに写して持ち歩けば、隙間時間で勉強できますね。
藤井聡太は1日にして成らず。
たくさんの詰将棋の鍛錬の上に、今の超人的な読みがあるんですね。
こちらの別記事では末尾で藤井先生作の詰将棋本も紹介しています。
因みに『弟子・藤井聡太の学び方』の第二章扉には、実際に藤井先生が使っていた詰将棋ノートの表紙写真が掲載されています。最初は文字が書けなかった藤井先生に代わってお母様が書かれていたようですね。
目隠し詰将棋ができる本
実際の目隠し詰将棋はどのようにやってみたらいいのでしょうか。なかなかやり方の分からない方も多いかと思います。
そこで最近出版されたのが、ふみもと将棋教室のメソッドが体験できる本。符号も書いてあるので、符号のわからない親御さんでも対応できます。
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藤井先生も勉強した詰将棋本
藤井先生の蔵書から
藤井先生の蔵書から、現在でも入手可能な書籍をご紹介します。
藤井先生も勉強した本で勉強すれば、強くなれそうです。今は棋力的に難しい方でも、「いつか解けるようになるぞ」と目標を持っていただいたり、観賞用にしていただくのもいいかと思います。
まずは挑戦しやすいものから。
こちらは京都大学英米文学の教授にして日本屈指の詰将棋作家・若島正先生の作品集。
二段以上の棋力があれば、前半50問は解き易いと思います(19手まで)。後半50問は長手数の問題が多くなるので(長いもので123手)、高段者向けです。
こちらは谷川先生による、実践形から曲詰めまで、様々な形の詰将棋を集めた珠玉の作品集。
技巧的な作品も多いので、有段~高段者向け。15手以上。長いもので95手です。
こちらは初段~高段者向け。ただ、この本は「〇段」と回答目安の棋力が記載されているので、挑戦しやすいです。ソフトカバーで新書サイズのため、携帯にも適しています。
谷川先生の本で迷ったら「光速」からがお薦めです。
プロ棋士を目指す方なら定番の2冊。
藤井先生が東海研修会時代に学んだ詰将棋本
以下は藤井先生が東海研修会時代に学んだ詰将棋本。
管理人のおすすめは塚田本。5手から49手詰め。初段以上、特に有段者から高段者向けです。
これを全部解ける人はすごいですね・・・
「極光」は「詰めキスト」向けの作品集。「詰将棋のための詰将棋」の作品集のため、棋力向上というよりは、詰将棋の世界を堪能するための本と思っていただければ。
補足すると、フェアリー・ばか詰めと聞いてピンと来ない方は手を出さない方が無難です。
第1問目から47手詰めで、心折れること必至。長いもので145手詰めとなっています。
まとめ
今回は藤井先生の棋力のベースとなった詰将棋について、「目隠し詰将棋」をはじめとして色々な勉強法をとりあげました。また、藤井先生が過去に学んだ詰将棋の本もご紹介しましたので、ぜひ、ご自身に合ったやり方や本を見つけて挑戦してみてください。
ご参考になれば幸いです!(例題の回答は、3一金です)
※将棋の本はKindle Unlimitedにもたくさんあります。30日間の無料体験もあるので、お気軽に試してみましょう。
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<おまけ>詰将棋が楽しくなる方法
ただ本を広げて解くのがつまらなく感じる方に。
将棋クエストの詰将棋チャレンジを中村太一先生が全力で解いています。
動画を観ながら太一先生と競争してみると楽しいですよ!