将棋を趣味として指している方の多くは「今よりももっと強くなりたい」と思っていることでしょう。
私も、将棋を始めて20年以上になりますが、「昨日の自分より強くなりたい」という気持ちが切れたことは一度もありません。
将棋には様々な勉強法があります。
代表的なものだけでも、
- 実戦を指す
- 棋士の棋譜を並べる
- 詰将棋を解く
- 将棋の本(棋書)を読む
などの勉強法があります。
この中で、私が一番難しいと思う勉強法が「将棋の本(棋書)を読む」ことです。
大型書店にいくと、驚くほど多くの棋書が販売されています。
その中で、どれが自分にとって役立つ本なのかを選ぶことは、結構難しいんです。
香ちゃん
気が付けば、棋書コーナーの前で1時間くらい悩んでたワ・・・
という経験をお持ちの方も多いでしょう。
今回は、全ての棋力の方に共通してお届けできる「棋書選びのポイント」をご紹介したいと思います。
自分のレベルにあった棋書を選ぶ
棋書は、ご自身の棋力に合ったものを選んで読むことが一番重要です。
意外にも、対象となる読者の棋力が記されている棋書は少ないです。
買ったはいいものの、読んでみたら全然内容が理解できなくて悲しい思いをした、という方もいらっしゃるでしょう。
私も過去に何度もそういう経験をしました。
簡単!とか明快!と書いているのに内容めっちゃ難しいじゃんか!というのは棋書あるあるです。
早く強くなりたい、という気持ちが強すぎて、その人の棋力からすると難しすぎる棋書を「背伸び」して買ってしまうケースが特に多いのです。
特に、いわゆる「普通の定跡書」は基本的に級位者の方には難しいです。
級位者の方や、アマチュア初段前後の方であれば、次の1手形式でまとめられている定跡書を読んだ方が良いでしょう。
今後、私のブログでは、対象棋力を4レベル(入門→級位者→初段・二段→三段以上)に分類して、内容を含めて丁寧に紹介していきたいと考えております。
ぜひ、棋書選びの参考にしていただけると嬉しいです。
目標に沿った本を買う
棋書は、ただやみくもに読むだけではあまり効果が得られません。
ご自身の将棋の何を強化したいのか?という目標を考えた上で、それに沿った本を選ぶ方が、棋力向上につながりやすいのです。
序盤の基本的な駒組なのか?ある特定の戦法の知識を身に付けたいのか?詰ます力を養いたいのか?それによって読むべき本は変わります。
自分が指した将棋を振り返りながら、「何が自分に足りないのか」を考えるところから始めてみましょう。
自分ではそれが分からない!という方は、普段将棋を指している仲間や、指導を受けている先生などに尋ねてみましょう。
棋書選びで陥りがちな間違い
ここまで、棋書を選ぶ際のポイントをお伝えしました。
ここからは、棋書を選ぶときに陥りがちな間違った考え方を2つご紹介します。
「新しい本ほど良い」ではない!
プロ棋士の世界では、日々、新しい戦法や定跡が生み出されています。
アマチュアでも、全国大会を目指すようなレベルの方であれば、ある程度は最新の情報に精通している必要があるでしょう。
そのためか、「将棋の本はなるべく新しい本を読まないといけない」と考えてしまう方が結構いらっしゃるように感じます。
実は、そんなことはありません。
20年~30年以上前の古いものでも、有益な棋書は数多くあります。
特に、手筋(≒駒の上手な使い方)は時代が変わってもそこまで大きく変化することが少なく、今でもバリバリ使える本が多いです。
しかも、古い棋書だと、インターネットで安く買えることも多いのです。
最近では、Kindle Unlimitedという、Amazonが展開するサービスで無料で読み放題になっている棋書も多いのです。
本ブログでは、「読む将」歴もそれなりに長い私の目線で、今でもこれは使えるという昔の本をたくさん紹介していきたいと思います。
「トップ棋士の本ほど良い」ではない!
これも、棋書を選ぶときに勘違いしやすいポイントの1つです。
現役棋士は170名ほどいますが、やはり書店にいくとA級順位戦在籍者やタイトル保持者といった「トップ棋士」の本に目が行きがちです。
それでも別に良いのですが、
トップ棋士以外の棋書、特に自分がよく知らない棋士の書いた棋書はあまり読みたくない・・・
と考えてしまう方がたまにいらっしゃいます。
これ、すごくもったいないことなんです。
プロ棋士として実績を上げていることと、棋書を書くうまさは必ずしも比例しません。
デビューしたばかりの若手棋士や、トーナメントではあまり上位に進出しない棋士でも、良質な棋書を世に送り出している先生は多くいらっしゃいます。
コレクションとして棋書を買うなら話は別ですが、棋力向上のために棋書を買うのであれば、上で紹介した「自分のレベル感」と「自分の目標に沿っているか」の2つを基準に棋書を選ぶことをオススメします。
◆
◆
◆
棋書選びのポイントと、選ぶ際に陥りがちな間違いについて解説しました。
本ブログでは、今まで様々な棋書を読んできた私の経験をもとに、皆様の棋書選びに役立つ情報を色々と発信していきたいと思います。
また次回の記事も読んでいただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!