初心者向け記事

【初心者むけ】将棋の銀の手筋まとめ【将棋普及指導員執筆】

ぺんぎん

将棋の銀の手筋をまとめた記事だよ!それぞれの手筋は動画でも解説してるから、ぜひ参考にしてね!

銀は攻め、守りともに優れた駒です。羽生善治先生や加藤一二三先生など歴代の強豪棋士も、銀が最も好きだという方が多いです。この記事では、初心者~級位者の方に覚えてほしい「銀の手筋」をご紹介します。

本記事で紹介する手筋
  • 割り打ち
  • 桂頭の銀
  • 腹銀
  • 尻銀
  • 銀を引っかける
  • 両取りねらいの銀捨て

それでは、はじめていきましょう!

将棋の「銀」の基本手筋

1:割り打ち

割り打ちは、銀の最も基本的な使い方です。

第1図

相手の飛車と金のナナメ後ろから、銀をひっかけて攻める手です。

飛車も金もナナメ後ろには動けないので、相手はこの銀を取れません

特に飛車は取られたくないので△42飛と逃げるくらいですが、▲32銀成△同飛(第2図)と進めば、先手は金銀交換で少し駒得しながら、相手陣の守りの金をはがすことができます。

第2図

割り打ちの銀を使いこなすには、以下の2つに注意しましょう。

1:銀を渡しても大丈夫か確認する

割り打ちの銀は、たいていの場合、相手に銀を渡します。ですから、銀を渡しても問題ないか(自玉を詰まされたりしないか)をよく確認しましょう。何も考えずにとりあえず銀を打つと、失敗がちです。

2:他の技と組み合わせる

割り打ちの銀は、他の技と組み合わせると効果がアップします。第3図は級位者どうしの対局のある局面。

第3図

実戦で先手の方は▲同銀と取りました。別にこれでも悪くないのですが、割り打ちの銀を狙うもっと良い手がありました。

第3図からの指し手(例)

▲52歩△同飛▲41銀(第4図)

第4図

まずは▲52歩と打ってみます。△同飛以外の手だと▲55銀と後手の銀をタダで取れます。そこで後手は△52同飛と取りますが、そこで狙いの▲41銀(第4図)を打ちます。

第4図では飛車をタテに逃げると32の金がタダで取れます。△42飛と逃げるくらいですが、▲32銀成△同金に▲23飛成(第5図)と飛車先を破ったり、▲55銀と銀を取れば先手が大優勢になります。

第5図

2:桂頭の銀

桂頭の銀は、銀を使った受けの手筋です。具体体には第6図のような形です。

▲54銀と打つことで、先手は65の歩、45の歩を守れています。また、次は▲53銀成のように桂馬を取るねらいもあります。これが「桂頭の銀」です。

実際の対局に現れそうな局面で見ていきましょう。第7図をご覧ください。

これは後手が△16歩▲同香と先手の香車をつり上げて、△24桂と打ってきた局面です。△24桂は美濃囲いを端から攻略する基本手筋ですね。

次に△16桂と香車を取る手、△36桂と王手で跳ねる手があって厳しいように見えますが、ここで▲25銀(第8図)と桂頭の銀で受けるのが好手です。

これで△16桂も△36桂も防げています。第8図では△33桂(第9図)とはねてくる手がいやらしいですが、

▲24銀(第10図)と桂馬を食いちぎれば、△同歩で銀桂交換の駒損になるものの、先手玉がすぐにつぶれることはありません。

ぺんぎん

銀を攻めに使えなくなるので、何でもかんでも桂頭の銀を打てばいいわけではないけど、受けの手筋として必ず覚えておこう!

3:腹銀

腹銀は、相手の玉を寄せるときの手筋です。第11図は、将棋界で最も有名な「必死」(相手を受けなしに追いこむ問題)です。

第11図では▲32銀(第12図)と打つのが好手。このように相手玉の腹(横)に銀を打つから「腹銀」というのです。

第12図では、次に以下の詰みをねらっています。

・▲23銀成
・▲31馬△12玉▲21銀不成

相手はこの両方を一度に受けることができません。つまり、第12図はどうやっても次に相手玉が詰む=必死になっています。

少し理屈っぽく話すと、▲32銀と腹銀を打つことで31、21、23の3か所にこちらの攻め駒の利きを足し、相手玉の行動範囲を一気にせまくできるので、受けなしに追いこめるのです。

ちなみに第11図で▲31銀と王手するのは最悪で、△13玉(第13図)と逃げられた局面は、一生かかっても相手玉は捕まりません。

ぺんぎん

むやみに王手をすると、逆に相手の玉を逃がすだけだから注意!逃げ道をだんだんしぼっていくイメージで指そう。

ちなみに第11図で、こちらの持ち駒が金だった場合(仮想図)では、相手玉を寄せることはできません。

▲32金と王手しても△13玉でダメですし、▲31金と打っても、詰めろ(次に相手玉が詰む形)にすらなっていません。腹銀はナナメ下に進める銀の特性を活かした寄せ方なのです。

腹銀は応用できる範囲が広い手筋です。以下の問題図も「腹銀を使った寄せ」が決まります。良かったらぜひ考えてみてください。

練習問題1
練習問題2

4:尻銀

続いて紹介するのは尻銀です。先ほどの腹銀と同じく、王手をかけずに相手玉を追い詰める大事なテクニックです。第14図を例に解説します。

第14図

第14図では▲41銀(第15図)と、相手玉の「お尻」に銀を打つのが好手です。

第15図

▲41銀は、次に▲52竜△31玉▲32銀成(第16図)と、

第16図

▲32銀成△同玉▲31金以下の2つの詰み筋をねらっています。

ぺんぎん

2つ以上のねらいを持った手は、いい手になりやすいよ!

相手はこの両方を一度に受けることができません。△51金(第17図)と持ち駒の金を打って受ける手はありますが、

第17図

▲51同竜△同玉▲52金(第18図)で相手玉は詰みます。

第18図

このように「相手が受けに使った金を取って、頭金でしとめる」というのは、終盤でよく現れる手です。

ちなみに第14図で▲52銀(第19図)と「腹銀」を打つ手も考えられますが、

第19図

これは次にねらっている詰み筋が「竜を横に動かす手」(▲51竜・▲41竜)だけですね。ねらい筋が1つの手は受けられてしまいます。たとえば△22銀▲41竜△33玉(第20図)と逃げられるくらいで、こちらの攻めは息切れです。

第20図

第14図の局面では、「腹銀」よりも、次に相手の金を取るねらいもある「尻銀」のほうが厳しいというわけです。状況に応じて、「腹銀」「尻銀」を上手に使い分けられるようになりましょう。

第14図で▲51銀の王手だけはやってはいけません。△31玉▲62銀成△22玉と進み、攻めの銀は遠いし玉は逃げられるしで最悪です。

腹銀の問題をもう1つ。第21図は有名な必死問題です。

第21図

ここでも▲21銀(第22図)と腹銀を放つのが好手です。

第22図

一見すると銀をタダで捨てているだけのように見えますが、これを△21同玉と取りますと▲23飛成(第23図)とぶっこむ手があります。

第23図

「飛車までタダで捨ててどうするんだよ!」という声が聞こえそうな攻めですが、△23同金に▲32銀(第24図)と打てば、相手玉は詰みます。

第24図
ぺんぎん

第24図からは△22玉▲23銀成△21玉▲32角成などの手順で詰むよ!

5:銀を引っかける

続いては「銀を引っかける」です。相手玉を寄せる終盤戦で役立つテクニックです。第25図を見ていきます。

第25図

第25図では▲41銀(第26図)と打ちます。このように、相手の守りの金のナナメ後ろに銀を打つ手を「銀を引っかける」といいます。

第26図

第26図は▲32竜までの詰めろになっています。後手はそれを防ぐために△31銀(第27図)と打ったとしましょう。

第27図

これに対しては▲32銀成△同銀(第28図)と進めます。

第28図

今のやり取りで、以下が変わったのがおわかりでしょうか。

  • 先手の持ち駒が銀・銀から金・銀に変わった
  • 後手の32の守り駒が、金から銀に変わった

この変化によって、第28図では▲31銀(第29図)と打って後手玉が詰みとなります。

第29図

第29図以下、△31同玉▲42金△22玉▲32金△12玉▲22金まで、後手玉は詰みます。

将棋は「金」の守備力が非常に高いです。下の仮想図を見てください。

仮想図

先手はものすごくたくさんの駒を持っていますが、32に守りの金が1枚いるだけで、相手玉は絶対に詰まないのです。

将棋は相手の玉をうち取るゲームですが、いきなり玉をねらってもダメなのです。まずは玉に最も近い場所にいる金をねらうのが近道。その代表的なねらい方が「銀を引っかける」になります。

ぺんぎん

実戦では、銀を手持ちにしたら、まず相手の金をねらって引っかけることを考えてもいい、それくらい大事なテクニックだよ!

6:両取りねらいの銀捨て

ちょっと難しい手筋です。第30図を見てください。

第30図

第30図は後手が△23歩と打って先手の銀を追い返そうとした局面です。一見すると▲35銀(第31図)などと引くしかないようですが、それではもったいない。

第31図

ここは強く▲23同銀成(第32図)と取るのが読みが入った1手です。

第32図

△23同金と銀を取られて失敗に見えますが、そこで▲32角(第33図)が用意の切り返し。

第33図

角の基本手筋まとめでも紹介した、角の両取りがかかるのです。これで後手の飛車か金を取り返せて駒損は回復します。さらに馬ができるので先手有利になります。

将棋ウォーズ2~3級まで到達した人は、このように「両取りをねらって銀を捨てる手」も覚えて使えるようになりましょう。

ここからは有段者向け。同じような手筋をもう1つ紹介します。第34図をご覧ください。

第34図

角換わり腰掛け銀と呼ばれる定跡の局面です。いま、後手が△44銀と33にいた銀を桂取りから逃げたところです。

後手の△81飛+△62金型は最近流行している形ですが、▲63銀(第35図)と打つのがこの形の弱点をついた好手です。

第35図

△63同金は▲72角(第36図)と打てば、やはり角の両取りがかかるので先手良し。

第36図

第35図で△61銀と受けるのは▲62銀成△同金▲72金(第37図)と、今度は金で両取りをかける手があって先手良しです。

第37図

第35図で△61金と引く手には、いったん▲46歩(第38図)と桂馬を支えておきます。

第38図

これで次に▲24歩からの飛車先交換や、▲74銀成、▲72角などをねらって先手が指しやすい形勢になります。

まとめ

今回は銀を使った基本手筋を解説しました。

初心者や級位者の皆さまの実戦でも使える場面が必ずあるので、ぜひ役立ててくださいね。本記事の執筆に際して参考にした本をいくつか紹介して、おわります。

ABOUT ME
ぺんぎん
地方在住の将棋講師です。未就学児から80代まで、幅広い年代の方に将棋を指導してきた経験をもとに、初心者、級位者の棋力アップに役立つ情報をお届けします。