将棋の飛車の手筋をまとめた記事だよ!それぞれの手筋は動画でも解説してるから、ぜひ参考にしてね!
飛車は将棋で最も攻撃力が高いコマです。飛車を上手に使えるようになると、将棋がグッと楽しくなります。そこでこの記事では、初心者の方に覚えてほしい「飛車の手筋」をご紹介します。
- 敵陣に飛車を打つ
- 十字飛車
- 飛車先交換
- 一間竜
- 自陣に飛車を打つ
それでは、はじめていきましょう!
将棋の「飛車」の基本手筋
1:敵陣に飛車を打つ
まずは飛車を相手の陣地に打って攻めるときのコツを紹介します。まずは美濃囲いを攻める第1図。

相手陣には何か所か飛車を打てる場所がありますが、どこがベストでしょうか。
ここでは▲61飛(第2図)が良い手です。

この▲61飛は、次に▲41飛成と金を取る手、▲81飛成と桂馬を取る手の2つをねらっています。つまり「両取り」です。このように、2つ以上の狙いを持った場所に打つのが良い手になります。
それでは次の例、第3図をご覧ください。

2枚の飛車を使って相手の美濃囲いを攻めるという、なんともぜいたくな問題です。ところで、ここでは「▲21飛打」と「▲22飛」のどちらが良い打ち場所でしょうか?
正解は▲22飛(第4図)。

これは次に▲61飛成(第5図)と、金をタダで取るねらいがあります。

一方の▲21飛打は、次に▲61飛成△同銀▲同飛成(第6図)とすすめれば美濃囲いは崩せますが、相手に飛車を渡してしまってます。

もしかしたら、渡した飛車で自玉が詰まされてしまうかもしれません。飛車を渡さずにすむ分、▲22飛(第4図)のほうが、はるかに良い攻め方なのです。
飛車を相手陣に打つ前に「どこに打つのがベストか」を考えるクセをつけると、上達が早まるよ!
2:十字飛車
十字飛車とは、飛車をタテ→ヨコの順に動かして相手の駒を取る手筋です。たとえば第7図。

これは「10枚落ち」といって、上手(強いほう)が玉と歩だけで戦うハンデ戦です。今、上手が△23歩と打ったところ。
ここでは▲64飛(第8図)と飛車を横に動かして歩を取る手があります。

将棋を始めたばかりの人だと、飛車をタテにしか動かさないことが多いのですが、このようにヨコ方向にもしっかり動かせるようになると、相手の駒を取ったり、相手の陣地に入りやすくなったりします。
平手(ハンデなし)の将棋でも、相振り飛車や矢倉などの戦型では十字飛車はよく現れるよ!
3:飛車先交換
飛車先交換とは、文字通り「飛車の先の歩を交換する」ことです。たとえば第9図のような局面で使えます。

ここで▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛(第10図)と進めるのが飛車先交換です。

飛車先交換には以下3つのメリットがあります。
- 1歩を手持ちにできる
- 相手陣に飛車が直射する
- 味方の駒の通り道ができる
くわしくは以下の動画をご覧ください。
将棋ソフトは、飛車先交換をそこまでプラスに評価していないけど、初心者はチャンスがあれば積極的に飛車先交換をねらうのがおすすめ!
4:一間竜
飛車が成った「竜」を使った最強の手筋、それが一間竜(いっけんりゅう)です。
一間竜とは、相手の玉から1つ飛ばしたマス目に竜を動かす手のことです。第11図をご覧ください。

ここでは▲32竜(第12図)と指すのが好手。

これに対しては△22金と合い駒をするしかありませんが、そこで▲23銀(第13図)と打てば後手玉は詰みです。

この銀を△23同金と取ると、先手の竜の利きが通り、後手玉を取れます。かといって、逃げる場所もありません。第13図は詰んでいる局面なのです。
▲32竜と一間竜の形を作るのがポイントで、たとえば第11図の局面で▲42竜(14図)と指すと、△23玉と逃げられて詰まなくなります。

一間竜は超大事な手筋だから、しっかりマスターして実戦で使えるようになろう!
一間竜は先おどの例のようにヨコ方向だけではありません。第15図をご覧ください。

ここでは▲23竜(第16図)と、タテ方向から一間竜を作るのが好手。

△22金でも△31玉でも▲32金と打てば、後手玉は詰みます。
ちなみに第15図で▲41竜とヨコ方向から一間竜を作るのは、△22玉と逃げられます。基本的にはタテ方向からの一間竜のほうが相手の玉を捕まえやすいです。
5:自陣に飛車を打つ
最後に紹介するのは、自陣に飛車を打つ手筋です。まずは相手から飛車を打たれた第17図のようなケースを見てみましょう。

香取りになっていますね。これに対して▲79金などと受けると△99飛成(第18図)と香車を取られて損をします。

困ったようですが、第17図では▲79飛(第19図)とあわせる手があります。

これに対して△99飛成は▲同飛と飛車を取れて先手必勝です。
ということで後手は△79同飛成▲同金と進めるしかありませんが、こうすると先手の金の位置が変わったので後手は△89飛が打てなくなります。
もう1つ、自陣に飛車を打つ手が有効なケースを見ましょう。第20図は級位者同士の将棋でときどき見る形です。

後手が△88角と打ち、99の香車を取ろうとした局面です。困ったようですが、ここでは▲89飛(第21図)と打つのが好手。

よく見ると、これで後手の角は逃げ場がありません。△77角成か△99角成と指すしかありませんが、いずれも角を取り返して先手が駒得になります。
自陣に飛車を打つときは「打った後の飛車をきちんと活用する」ことを心がけましょう。自陣のすみっこに飛車が取り残されちゃうとまずいです。
まとめ
今回は飛車を使った基本手筋を解説しました。
初心者や級位者の皆さまの実戦でも使える場面が必ずあるので、ぜひ役立ててくださいね。本記事の執筆に際して参考にした本をいくつか紹介して、おわります。