「将棋普及指導員」ってどんな資格なんですか?資格を取るための手続きや、取るメリットなどを知りたいです。
こんな疑問に答える記事です。
実際に2020年から将棋普及指導員として活動しているぼくが、将棋普及指導員資格について解説していきます。
これから将棋普及指導員を目指す人は、ぜひ最後まで読んでね!
将棋普及指導員とは
将棋普及指導員は、日本将棋連盟公認のインストラクター資格です。全国各地で将棋の普及を進めるため、1994年(平成6年)にできました。
年に1回行われる審査に合格し、将棋普及指導員として認定されると、以下の権利を得ます。
- ほかの人の段級を認定できる(三段まで)
- 日本将棋連盟公認の道場を開ける
- 自治体、公共施設などに営業する際、日本将棋連盟に推薦状を出してもらえる
- 格安料金でプロ棋士の派遣を受けられる
将棋の指導は資格が無くてもできますが、将棋普及指導員の資格を持っていると、日本将棋連盟のお墨付きをもらって公的に活動できるようになります。
将棋普及指導員の数は年々増えており、2020年11月時点で全国で1,078名の方が将棋の普及・指導に情熱を注いでいます。
将棋普及指導員の審査内容
審査は「申請」→「書類審査」→「最終審査」の流れで行われます。
申請
まずは申請(審査への申し込み)を行います。
毎年12月ごろ、日本将棋連盟Webサイトに募集要項がアップされるので確認しましょう。
↓令和4年度分はこちら
令和4年度 将棋普及指導員募集要項(日本将棋連盟Webサイト)
審査に申し込む際は、次の4つの条件を満たした上で、2月末までに必要書類を提出します。
- 三段以上の免状を持っている(女性は二段以上)
- 日本将棋連盟の支部に入っている
- 棋士等の推薦を受けている
- 20歳以上である
3をくわしく説明します。
将棋普及指導員の審査に申し込むには、棋士・指導棋士・女流棋士・棋道師範など将棋界関係者からの推薦が必要です。
人によっては、これが一番高いハードルでしょう。
まわりに将棋界関係者はいないけど将棋普及指導員になりたい方は、お近くの支部に問い合わせてみましょう。
書類審査
申請を行うと、まず書類審査が行われます。
審査の結果は3月中旬までに書面で通知されます。(ぼくが受けた令和2年度では3月11日付で通知が発送されました)
最終審査
その後、最終審査(筆記+面接)が行われます。
筆記試験の内容はざっくり以下の感じです。
- 将棋界に関する基本的な知識(本ブログの「観る将」向け記事をひととおり読めば対策不要です!)
- 次の1手・詰将棋(そこまで難しくない)
- 作文(将棋普及への想いを問う内容)
三段免状が取れる棋力があれば、基本的に落ちることはありません。
将棋普及指導員になるにはいくらかかる?
将棋普及指導員の資格を取り、維持するにはお金がかかります。あらかじめ押さえておくと良いでしょう。
- 審査料:11,000円
- 登録料:22,000円 ※初年度のみ
- 年会費:10,000円
将棋普及指導員としての活動内容が評価されれば、奨励金として年会費がキャッシュバックされることもあるよ!
将棋普及指導員の収入は?
将棋普及指導員は、資格を取っただけでは収入を得ることはできず、自分で仕事を見つける必要があります。たとえば、以下のようなものです。
- 自分で将棋教室を開く(カルチャースクールの講師・ネット教室など)
- 他の方の将棋教室と契約する
なお、将棋普及指導員のみで生計を立てている方はほとんどいません。別に本業をやりつつ、半分ボランティアのような感じで普及活動に取り組んでいる人が多いのが実情です。
しかし、子どもたちとふれあい、将棋の伝統文化としての素晴らしさ、ゲームとしての楽しさを伝えていく活動は、お金に代えられないやりがいがあります。
とくに、未就学児や小学生のお子さまの「将棋楽しい!」という笑顔を見る瞬間の喜びはひとしおです。
ぼくはそれが楽しくて将棋普及指導員をやっていますし、これからも続けていくつもりです。
おわりに
今回は将棋普及指導員の資格について解説いたしました。将棋普及に熱い想いを持つ方のお役に立てばうれしいです。
おわり。