将棋界の仕組み

奨励会三段リーグの「次点」の仕組みを分かりやすく解説!

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奨励会の三段リーグの「次点」ってどんな仕組みなんですか?

こんな疑問を解決します。

この記事では、観る将歴20年超えのぼくが、将棋の世界をよく知らない方でもわかるように三段リーグの「次点」の仕組みを解説します

ぺんぎん

「奨励会とか三段リーグ」って何?という人は奨励会のしくみを解説を先に読んでね!

三段リーグの「次点」とは?

次点(じてん)とは、半年サイクルで行われる「三段リーグ」で3位になった人に与えられるボーナスポイントです。2つ集めると、四段に昇段してプロデビューできます

実際の例で解説します。下表は2018年4月~9月に行われた「第63回奨励会三段リーグ」の成績上位5名です。

順位氏名
25本田 奎(昇段153
7山本 博志(昇段135
12桝田 悠介(次点135
19岡部 怜央135
2黒田 尭之126

三段リーグでは、成績上位2名が四段昇段(プロデビュー)となります。この場合、まず15勝3敗の本田三段が1位で四段昇段です。

続いて、山本三段・桝田三段・岡部三段の3名が13勝5敗で並んでいますね。このような場合は「順位」(=前期までの成績によって決められたランキング)が高い人が優先されます。

つまり、13勝5敗の3人のうち、順位7位の山本三段が四段昇段となるわけです。そして、次に「順位」が高い 桝田三段が次点を獲得します。

ぺんぎん

順位1つの差が人生をわける、厳しい世界なんだ。

次点は「プロ棋戦で優秀な成績を収めた人」も獲得できます。くわしくは日本将棋連盟の以下サイトを参照ください。

女流棋士・奨励会員・アマチュアにおける棋戦優秀者への対応について

次点2回で四段昇段した例

次点を2回獲得すれば四段昇段(=プロデビュー)となります。ただし、名人への挑戦権につながる「順位戦」には参加できない「フリークラス」からのスタートになります。

「フリークラス」は10年以内に規定の成績をあげないと引退となる厳しい環境ですが、プロデビューに変わりはありません。実際、過去に次点を2回獲得した人は、ほぼ全員が四段昇段を選んでいます。

※段位は2022年1月20日時点

ぺんぎん

全員が規定の条件(20勝10敗以上の成績を取るなど)をクリアして、順位戦C級2組に昇級してるよ!

次点による四段昇段を辞退した例

実は過去に1人だけ、次点を2回獲得したのに四段昇段の権利を行使しなかった奨励会員がいます。

それは佐藤天彦三段(現九段)です。

佐藤天彦九段は、16歳のときに2度目の次点を獲得しましたが、なんと四段昇段の権利を辞退

この選択については、プロ棋士の中でも賛否両論でした。

ありえないです。自分の弟子が次点2回取って辞退すると言ったら、破門にします。増田であっても0.1秒でプロになれと即答します。辞退することは、後々の人にプレッシャーをかけることにもなりますから(森下卓九段)

日本将棋連盟「将棋世界」2019年5月号

次点を蹴ったことについては、そのほうが効率的かと思いました。当時の棋戦の数だと、順位戦に参加できるまで数年はかかる。奨励会なら最短で半年です。しかも彼は勝ち越し以上は絶対に決まっているような三段でしたから(渡辺明二冠)

日本将棋連盟「将棋世界」2019年5月号

佐藤天彦三段はその後、第39回三段リーグ(2006年4月~9月)で四段昇段。その後の活躍は皆さんご存じの通りで、名人のタイトルも獲得した一流棋士になりました。

この決断には、佐藤先生の師匠である中田功八段の弟子を思う気持ちがあります。くわしくは以下の本に書いています。

ぺんぎん

胸がジーンと熱くなるドラマ。観る将の方は必見だよ!

おわりに

今回は、奨励会三段リーグの「次点」の仕組みを解説しました。

記事で紹介した、中田功先生×佐藤天彦先生の師弟関係は、ぜひ多くの方に知ってもらえるとうれしいです。

とくに「第1回ABEMA師弟トーナメント」でのお2人の絆は必見ですね。 ABEMAプレミアムに加入すれば見れますよ。

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ABOUT ME
ぺんぎん
地方在住の将棋講師です。未就学児から80代まで、幅広い年代の方に将棋を指導してきた経験をもとに、初心者、級位者の棋力アップに役立つ情報をお届けします。