“鬼のすみか”B級1組順位戦の特徴・展望をきゃべ夫が解説!

こんばんは。

将棋普及指導員のきゃべ夫です。

4/27(月)に、日本将棋連盟Webサイト上で第79期順位戦の対戦表が公開されました。
対戦表はこちら

順位戦は、A級・B級1組・B級2組・C級1組・C級2組の5つのクラスからなりますが、今回はB級1組順位戦の展開・昇級者予想をお届けいたします。

そもそも順位戦とは?という方はこちらの記事を読んでいただけると嬉しいです。

B級1組順位戦の特徴等

基本的な仕組み

基本的な仕組みは以下の通りです。

13名が所属するリーグ戦で、総当たりで行われます。

   

成績上位2名が最高峰のA級順位戦に昇級し、下位3名がB級2組に降級します。
(今期の対戦表は、日本将棋連盟のこちらのページを参照して下さい)

なお、順位戦で師弟戦(師匠と弟子の対局)が行われるのは、総当たりになるB級1組からです

最近では、畠山鎮八段と斎藤慎太郎八段の師弟対決が行われました。(第77・78期-2018・2019年度)

“鬼のすみか”と呼ばれる

B級1組(B1)は、A級順位戦の在籍経験者や8大タイトル経験者が多く所属し、A級に負けず劣らず非常にレベルの高いリーグです。

対局数も1人12局と他のリーグよりも多いため対局の間隔が短く、タフなリーグでもあります。

また、B級2組までと異なり、1期の成績不振で降級する厳しさもあり、将棋界では「鬼のすみか」と呼ばれています。

また、今期からはB級2組への降級人数が2人→3人に増えることとなり、B級1組の厳しさは更に増しています。

A級に所属していてもおかしくない棋士ばかりで、更にこの中から3名がB級2組に降級してしまうというのはあまりに厳しいです。

「鬼のすみか」より厳しいとなれば、今後は何のすみかと呼ばれることになるのでしょうか…。

今期も、A級・8大タイトル経験者が多く在籍しています。
(在籍期数・獲得期数は2020年4月現在)

A級順位戦在籍経験者(在籍期数)

  • 木村一基王位(5期)
  • 久保利明九段(13期)
  • 行方尚史九段(6期)
  • 深浦康市九段(10期)
  • 郷田真隆九段(13期)
  • 屋敷伸之九段(6期)
  • 阿久津主税八段(2期)
  • 丸山忠久九段(14期※名人在位期間含む)

実に、13名中8名がA級経験者です。

8大タイトル経験者(通算獲得)

  • 木村一基王位(1期)
  • 久保利明九段(7期)
  • 深浦康市九段(3期)
  • 永瀬拓矢二冠(2期)
  • 郷田真隆九段(6期)
  • 屋敷伸之九段(3期)
  • 丸山忠久九段(3期)

8大タイトル経験者も、過半数の7名です。将棋界の層の厚さを感じます。

昇級争いは混戦必至!

B1は、上位勢のレベルが拮抗しており、昇級争いが混戦になりがちです。

他のクラスと違い、そもそも若手棋士の数が少ないので、若手ばかりが昇級するということもありません。

例年、昇級ラインは8勝4敗、降級ラインは4勝8敗あたりになることが多いです。

混戦になりがちであるため、全勝が滅多に出ません。

12戦全勝は過去に2回で、これはA級順位戦よりも少ないです。
(A級順位戦の全勝は過去4回)

B1で全勝を達成したのは以下の2棋士です。(肩書は達成当時)

  • 丸山忠久七段(第56期-1997年度)
  • 渡辺明二冠 (第78期-2019年度)

渡辺三冠の12戦全勝は記憶に新しい方も多いでしょう。

ちなみに、渡辺三冠は、翌年のA級順位戦でも9戦全勝を達成し、前人未到のB1・Aの2期連続全勝を達成し名人挑戦を決めました。

また、近年のB1は、B2からの連続昇級が難しくなっている傾向があります。

過去10年で、連続昇級を果たしたのは以下3名のみです。(段位は昇級当時)

  • 稲葉陽七段 (第74期-2015年度)
  • 佐藤天彦七段(第73期-2014年度)
  • 橋本崇載七段(第70期-2011年度)

もっとも、羽生世代周辺の棋士が連続昇級しまくっていたのが異常事態で、今くらいが正常なのかもしれません。

調べたら、なんとB級1組では、第51期~59期まで9年連続でB級2組からの連続昇級者が出ていました

今期順位戦の展望(B級1組)

今期の昇級者を予想するのはかなり難しいです。

誰もが上がりそうにも見えてしまいます。上位争いは例年通り混戦になるでしょう。

相当悩みましたが、昇級予想として以下3棋士を挙げます。

永瀬拓矢二冠(27)

通称「軍曹」。将棋に懸ける思いとストイックさは、アマチュアだけでなく同じプロからも憧れの目で見られている棋士です。

前期はスタートで黒星が先行しましたが、中盤から勝ち続け、今期は5位と好順位です。
複数タイトル保持者として、今期は普段より更に気合が高まっているでしょう。
今回の昇級の本命です。

深浦康市九段(48)

長崎県佐世保市出身で、2007年に王位のタイトルを獲得。
「九州にタイトルを持って帰る」を実現した棋士です。
九州出身棋士は、加藤一二三九段以来、なかなかタイトルを獲得できていませんでした。

前期、NHK杯で初優勝を果たし、勢いに乗っています。

先ほどの永瀬二冠と同様、将棋へのストイックさはプロの中でも一流です。
順位戦ではやや分が悪い対久保九段戦を勝てば、A級復帰の可能性は高まると思います。

千田翔太七段(26)

永瀬二冠とともに、C1→B2→B1と昇級してきた若手棋士です。
コンピューター将棋の知識が深いことで有名ですが、本人の将棋は非常に”人間的”です。

昨年度の朝日杯将棋オープン戦では、準決勝で藤井聡太七段を、決勝で永瀬二冠を破って優勝。

実績も十分で、もしかしたら、また永瀬二冠との同時昇級が見られるかもしれません。

おわりに

B級1組順位戦の特徴と今期の展望をお届けしました。

今期からは降級人数が3名に増えたこともあり、これまで以上に厳しさが増すリーグとなります。

最高峰のA級に昇級するのは誰なのか、1回戦から目が離せない対局が続きます。
推しの棋士がいる方はぜひ全力で応援しましょう!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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