将棋の金の手筋をまとめた記事だよ!それぞれの手筋は動画でも解説してるから、ぜひ参考にしてね!
この記事では、初心者~級位者の方に覚えてほしい「金の手筋」をご紹介します。
- 頭金の詰み
- 金はトドメに残そう
- 金で先手を取る受け
それでは、はじめていきましょう!
将棋の「金」の基本手筋
1:頭金の詰み
将棋で最も大切な手筋が「頭金」です。「頭金」とは、相手玉の真ん前のマス(頭)に金を打ち、相手玉を詰ます手筋です。第1図をご覧ください。

第1図では▲52金(第2図)と打てば、相手玉は詰みです。このように相手玉の目の前(頭)に金を打つから「頭金」というのです。

相手玉が逃げられる場所は、61、62、41、42の4か所ありますが、いずれもこちらの金がガードしていますね。かといって、相手はこの金を取ることもできません。(こちらの銀がつながっているため)
つまり、第2図は詰みなのです。「頭金」で攻めるのがポイント。間違って▲62金(第3図)と打つと・・・

△41玉(失敗1図)と逃げられて、相手玉は詰まなくなります。

反対側も同じですね。▲42金(第4図)と打つと、

△61玉(失敗2図)と逃げられてダメです。

▲52金と真上から打つから詰むのです。
頭金だけは絶対に逃さないようにしようね!
頭金は、必ず金と何かほかの駒がつながった状態で打ちましょう。初心者の方は、金1枚だけで頭金を打って失敗することが多いです。
ちなみに「頭金」ではなく「頭銀」だとなかなか詰みません。第5図をご覧ください。

もちろん▲52金の1手詰めですね。しかし第6図はどうでしょうか。

こちらの持ち駒が、金から銀に替わっています。同じように▲52銀と打つと、たとえば△42玉(第7図)と逃げられます。

それでも「頭銀」を打ち続けると、以下のように進みます。
▲43銀打△33玉▲34銀打△24玉▲25銀打△15玉(失敗3図)

このように、銀の行けない真横や真後ろをスルスルとぬけるように逃げられてしまうのです。相手の玉を詰ますときには、最後まで金を残しておくのが大事です。
今のお話をふまえて、第8図の問題を解いてみてください。3手詰めです。

練習問題の答えは、次の章を読んでね!
2:金はトドメに残そう
相手玉を詰ますときは、なるべく金を残しておいたほうが良いです。なぜなら、金のほうが最後に相手玉をつかまえる力が強いからです。
先ほど、練習問題として出題した第8図で解説します。

ここで▲53金と、金を先に使うと、△61玉(第9図)と逃げられたときに困ります。

第9図で▲62銀と打っても△72玉でつかまりません。最後に打つ駒が銀だとつかまえにくいのです。
もどって、第8図では▲53銀打(第10図)と、銀を先に使うのが正解です。

これなら、相手玉がどこに逃げても頭金の詰みです。
細かいことだけど、金銀を打つ順番はとても大事だよ!
3:金で先手を取る受け
次は受けの手筋です。第11図を見てください。

こちらの守りは銀1枚と薄く、次に△39銀(第12図)と王手されると危ない状態です。

よって第11図では、持ち駒を使って囲いを補強することを考えます。持ち駒に金と銀がありますね。それぞれを考えてみます。
第11図からの指し手①▲49銀打(第13図)
まずは▲49銀打(第13図)と銀で補強してみましょう。

これでも守れていそうですが、第13図では△48歩(失敗4図)と打たれると困ります。

これはさっき打ったばかりの銀が取られてしまいます。これでは受けになっていません。
第8図からの指し手②▲49金(第14図)
第8図では▲49金(第14図)と打つのが正しい受けです。

この手は、相手の竜取りになっています。つまり第14図で△48歩と打ったりすれば▲59金(第15図)と竜をタダで取れておしまいです。

竜を取られたらダメなので、相手は第14図で△79竜(第16図)と逃げるくらいですが、これはこちらがものすごく得をしています。

「金を打つ」→「相手が竜を逃げる」というやり取りで、こちらの囲いは強くなりましたし、相手が竜を逃げてくれたのでこちらの手番となり、相手の陣地を攻めることができます。
このように、相手の駒の取りになるように金を打つ受けを「先手を取る受け」といいます。
ここでいう「先手」とは、最初に決める先手・後手のことじゃなく、「先に攻める権利」みたいな意味だよ!
まとめ
今回は金を使った基本手筋を解説しました。
初心者や級位者の皆さまの実戦でも使える場面が必ずあるので、ぜひ役立ててくださいね。本記事の執筆に際して参考にした本をいくつか紹介して、おわります。
※練習問題の答え
練習問題1
▲53銀△61玉▲62金まで3手詰め(2手目△41玉なら▲42金まで)