将棋の香車の手筋をまとめた記事だよ!それぞれの手筋は動画でも解説してるから、ぜひ参考にしてね!
香車は一直線にどこまでも前進できる動きが特徴の駒。歩以外なら何と交換しても駒得になる優れた駒です。この記事では、初心者~級位者の方に覚えてほしい「香車の手筋」をご紹介します。
- 田楽刺し
- 底歩をめがけて香を打つ
- 香の足し算
- 逃げ道をふさぐ香
それでは、はじめていきましょう!
将棋の「香車」の基本手筋
1:田楽刺し
まずは最も基本的な「田楽刺し」の手筋から紹介します。第1図の局面をご覧ください。

ここで▲36香(第2図)と打つのが「田楽刺し」です。

相手の飛車と角が串刺しになっていますね。これが食べ物の「田楽刺し」に似ていることが手筋の名前の由来です。
第2図では、後手が何もしなければ角が取れますし、後手が角を逃げると、その先にいる飛車が取れます。つまり飛車か角のどちらかは必ず取れる形です。
歩の次に弱い香車で相手の飛車か角が取れるんだからお得だね!
なお第2図で△35歩と香車の利きをとめようとしても▲35同香(第3図)で無効です。

少し形が変わって第4図。

これは相手の玉と飛車に対して田楽刺しをかました局面です。玉を取られたら負けなので後手は飛車を逃げることができません。つまり第4図では飛車を確実に入手できます。
このように田楽刺しは相手の強い駒を取りやすい手筋なので、必ずマスターしましょう。
田楽刺しを指すときは、相手の歩で止められないように注意しましょう。初心者は下の失敗図のようなことになりがちです。

2:底歩をめがけて香を打つ
まずは攻めの手筋から。第5図をご覧ください。

相手が△31歩と底歩の手筋を使ってこちらの竜をバリアしていますね。このような局面では▲36香(第6図)と打つのが好手です。※34~39ならどこでもOKです。

後手は△33歩とでも打ちたいですが、二歩の反則になるため打てません。
このように「相手が二歩を打てないことを見越して、底歩がある筋に香車を打つ手」はだいたい良い手になります。
後手が△42金と逃げても▲31竜△52金左▲32香成(第7図)と指せば先手の攻めが成功していますね。

底歩で竜をバリアされてるのって、実はすごくマズイ状態なんだ。だから子の手筋は大事だよ!
3:香の足し算
続いては香車を使った足し算の技を紹介します。第8図をご覧ください。

第8図
相手の陣地は銀が守っているので、飛車1枚では突破できませんね。そこで持ち駒の香車を足して攻めることを考えます。
ここでは▲17香(第9図)と打つのが正しい攻め方です。

第9図
これで次に▲13香成△同銀▲同飛成(第10図)とすれば、敵陣に竜を作って成功となります。

第10図
ポイントは飛車の上から香を足すこと。第8図で▲19香(失敗1図)と飛車の下から香を足してしまうと…

失敗1図
次に▲13飛成△同銀▲同香成(失敗2図)と攻めることになり、相手に飛車を渡してしまいます。第10図と比べると、明らかに損してますね。

失敗2図
相手の守り駒がいるところを香の足し算で攻めるときは、飛車の上から香を打ちましょう。
ちなみに、香車を下から足したほうが良いケースもあります。以下の動画でくわしく解説しているので、ぜひご覧ください。
4:逃げ道をふさぐ香
続いては逃げ道をふさぐ香の手筋です。第11図で解説していきましょう。

第11図では▲13香(第12図)と、あえて相手の桂馬が利いているところに香車を打つのが好手です。

玉を逃げる場所はないので△13同桂と取るしかありませんが、そこで▲22金(第13図)と打てば、相手玉は詰みます。

▲13香と捨てる手が大事で、第11図でいきなり▲22金と打つと(第14図)、

△13玉(失敗3図)と逃げられて相手玉は詰みません。

22に打った金が自分の角をジャマしているので、13に逃げた相手の玉を取れないのです。
この手筋、問題として出題されたら「▲13香!」と正解できるけど、実戦だと▲22金と打ってしまう人が本当に多いです。端に香車を捨てて逃げ道をふさぐ手はよく出るので、逃さないようにしましょう。
まとめ
今回は香車を使った基本手筋を解説しました。
初心者や級位者の皆さまの実戦でも使える場面が必ずあるので、ぜひ役立ててくださいね。本記事の執筆に際して参考にした本をいくつか紹介して、おわります。