こんにちは。
日本将棋連盟公認「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。
ご存じの通り、藤井聡太先生の大活躍で将棋が各種メディアでもよく取り上げられるようになりました。
それに伴い、お子さまの習い事として将棋を始めさせたいという保護者の方も大幅に増えております。
私が指導している将棋教室でも、ご新規の会員数が大幅に伸びております。
ところが、将棋のルールは少々複雑です。
駒は全部で8種類あり、それぞれ動き方が違います。
また、駒を取る・成る(強い駒に進化する)・打つなどの動きもあり、未就学児のお子さまが正しくルールを理解するには、ややハードルが高いのも事実です。
個人差はありますが、小学校に入学する前年(6歳になる年)くらいになると、ルールをおおまかに理解し将棋を指せるようになるという印象です。
それより年少のお子さまの場合は、いきなり本格的な将棋を覚えるのではなく、将来的に将棋を指すことにつながる遊びから入るのもおすすめです。
代表的な遊びとしては、まわり将棋(歩まわり)が挙げられます。
この記事では、まわり将棋の遊び方を解説していきます。
まわり将棋の遊び方
ルールはいたってシンプルで、まとめると下のようになります。
[box class="box30" title="まわり将棋のルール"]
- サイコロのかわりに「金将」を4枚振り、表が出た数だけ進む
- 駒が立ったり、特殊なことが起こるとたくさん進める
- 1周まわると駒が進化する(歩→香→桂→銀→角→飛→玉)
- 玉の状態でスタート地点に戻ってきたら勝ち!
[/box]
まず、盤の隅っこのマス目に歩(と金)を置きます。
2人での対戦なら下の写真ように対角線に配置します。
じゃんけんで順番を決めたらスタート。
まわり将棋では、サイコロの代わりに「金将」の駒を4枚振ります。
手の中でシャカシャカとして…
パっと盤の上に散らします。
このとき、表が出た数だけ、自分の駒を反時計回りに進めます。
例えば、↑のようになったら1マス進めるということです。
なお、以下のように特殊なことが起きると進める数が増えます。
- 全て表:8マス進む
- 全て裏:20マス進む
- 金が横方向に立つ:1枚につき5マス進む
- 金が縦方向に立つ:1枚につき10マス進む
- 金が逆立ちする :1枚に付き100マス進む
ポーカーや麻雀でいうところの「役」みないなものです。
ちなみに、金の逆立ちは私は一度も見たことがありません。
[memo title="MEMO"]
上に挙げたのはあくまで一例で、地域やご家庭によって様々なルールが存在します。
オリジナルのルールを作ってみると、より楽しめるでしょう。
[/memo]
こうしてぐるぐると盤の外周をまわっていき、1周してスタート地点に戻ると1つ強い駒に進化します。(歩→香→桂→銀→角→飛→玉)
そして、王将に進化した後に自分のスタート地点に戻ってきたプレイヤーが、あがり=勝利となります。
オリジナルのルールを作って遊ぼう!
基本ルールは以上ですが、まわり将棋にはトランプの「大富豪」ばりに多くのローカルルールが存在します。
ローカルルールは多岐に渡りますが、よく知られているものをご紹介します。
ワープ
ちょうど隅っこのマスに止まると、その1つ先の隅っこにワープできます。
おんぶ
他のプレイヤーがいるマスにちょうど止まると、その駒に乗っかります。
そして、乗っかったプレイヤーの次の移動時に、一緒に移動することができます。
お手付き
駒が将棋盤の外に飛び出してしまったり、駒同士が重なってしまうと「お手付き」となり1マスも進めないとするルールです。
手が小さいお子さまだと、駒同士が重なりがちなので、その場合は導入しない方がよいルールでしょう。
おなら
他のプレイヤーの1つ前のマスに止まってしまうと、おならをくらって一番近い隅っこのマスまで戻されてしまうというルールです。
ブッ!と大きな声で言うとどんなお子さまでも笑う魔法のルールですが、導入はご家庭の教育方針などに応じてご判断下さい。
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まわり将棋は、ルールを色々とカスタマイズできるところに楽しさがあり、年齢・棋力を問わず誰でも楽しむことができます。
ぜひ、ご家庭内で楽しんだ後はお友達とも遊んでみると良いでしょう。
駒の価値が身に付く効果も
ただの遊びという印象が強いまわり将棋ですが、実際の将棋に生かせる効果もちゃんとあります。
1周ごとに「強い駒に進化する」というルールがミソ。
まわり将棋を楽しんでいるうちに、自然と「歩兵」⇒「香車」⇒「桂馬」⇒「銀将」⇒「金将」⇒「角行」⇒「飛車」⇒「王将」という駒の価値(強さの順序)が自然に身に付くようになり、これが将棋を指す際に生きてくるのです。
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将棋の盤駒を用いたミニゲームとして「まわり将棋」をご紹介しました。
どなたでも楽しめて、エキサイティングなゲームなので、ぜひご家庭で遊んでみてください。
なお、まわり将棋をご家庭で行う場合には、写真でご紹介したような「ビニール製の将棋盤+プラスチック製の駒」がオススメです。(木製の盤駒だと傷がつきやすく、マグネット製だとバラバラと振ることができません)
リンク
2,000~3,000円程度になりますが、いずれお子さまに将棋を始めてさせてみようとお考えの方でしたら、ご家庭に1つ将棋盤・駒をご用意されることをおすすめします。