囲い方・崩し方

【図解】美濃囲いに組む手順、崩し方・攻め方入門【級位者むけ】

 

将棋を本格的にはじめたい!とりあえず、振り飛車をさしてみよう。玉の囲い方は美濃囲いがいいって聞くけど、どうやって組めばいいんだろう?

 

相手の美濃囲いがなかなか崩せません。上手に崩すテクニックを知りたいです!

 

こんな悩みにお答えします。

 

本記事の内容

 

  • 美濃囲いに組む手順
  • 美濃囲いの崩し方・攻め方
  • 美濃囲いの手筋が学べるおすすめ棋書3つ

 

この記事を読めば、美濃囲いの作り方・攻め方の基本が身につきますよ!

 

美濃囲いとは

 

美濃囲いとは、将棋の囲い(王の守り方)の1つです。江戸時代から伝わる歴史ある囲い方でして、今でもプロ・アマ問わず強い人気があります。

 

基本的には、振り飛車戦法と組み合わせることが多い囲いです。

 

美濃囲いに組む手順

 

まずは、美濃囲いに組む手順を解説します。一口に「美濃囲い」といっても、実はいろいろな種類があります。手順を進めるにしたがって、以下のようにどんどん強い囲いに進化していきます。

 

  • 片美濃囲い
  • 本美濃囲い
  • 高美濃囲い
  • 銀冠

 

囲いの種類の紹介とあわせて、進化の手順を解説していきますね。

 

片美濃囲い

 

それでは、もっともシンプルな美濃囲いである「片美濃囲い」の組み方をみていきましょう。

 

まずは飛車を振ります(飛車を横に動かすことを「振る」といいます)。第1図は、左から4番目の筋に飛車を振った「四間飛車」とよばれる形です。

 

第1図

 

飛車を振ったら、玉を飛車がいた場所まで移動します。(第2図)

 

第2図

 

そんで、銀を1つひょいっと前に出します(第3図)。たったこれだけで片美濃囲いの完成です。

 

第3図:片美濃囲い

 

シンプルですが、これが結構強い囲いなんですよね。

 

本美濃囲い

 

片美濃囲いの進化形は本美濃囲いです。進化といっても、左の金をナナメに上がるだけで完成します。(第4図)

 

第4図:本美濃囲い

 

片美濃囲いとくらべると、左の金が近づいた分、横からの攻めに強くなっています。

 

端歩はついておこう!

ちなみに、美濃囲いにくむときは、なるべく端っこの歩は突いておきましょう。(第5図)

 

第5図

 

端っこの歩をついておくと、お互いの玉を攻めあう「終盤戦」で、玉の逃げ道ができてお得です。とくに、級位者のうちは「美濃囲いの端の歩は必ずつく」ことを意識しましょう!

 

高美濃囲い

 

続いては「高美濃囲い」です。ちょっと手順が難しくなりますけどがんばりましょう!

 

本美濃囲いに組んだあとに、▲36歩~▲46歩と、3筋・4筋の歩をつきます。(第6図)

 

 

つぎに、左側の金をナナメにひょいっとあがります。これで高美濃囲いの完成です。(第7図)

 

第7図:高美濃囲い

 

本美濃囲いとくらべると、上からの攻めに強くなっています。でも、横からの攻めにはあんまり強くなってません。

 

細かいところですが、3筋の歩もついておくのが大事。ここをついていないと、将来、4七の金を桂馬で狙われる攻めを絶対にくらいます。(参考1図)

 

参考1図

3筋の歩をついていないと、いつか相手の桂馬で金を狙われて困る

 

高美濃囲いに組むときは、3筋の歩を必ずついておくようにしましょう。

 

銀冠

 

高美濃囲いをさらに進化させた形が銀冠です。手順が少しややこしいので、1手ずつ進めてみます。

 

高美濃囲いに組んだ状態から、▲26歩と2筋の歩をつきます。(第8図)

 

第8図

 

次に▲27銀と、玉の頭に銀をもってきます。(第9図)このとき、銀が王様のかんむりみたいな形になるから「銀冠」っていうんです。

 

第9図

 

これだけだと玉のわきがスッカスカで寒い感じがしますよね。そこで、▲38金と金をナナメにあがって銀冠の完成です。(第10図)

 

第10図:銀冠

 

高美濃囲いから、さらに上からの攻めに強くなった囲いです。将棋の専門用語では「厚い形」といいます。

 

きゃべ夫
つくるのに時間がかかりますが、完成するとすごく強いですよ。

 

 

美濃囲いの基本的な形は以上の4つ(片美濃囲い・本美濃囲い・高美濃囲い・銀冠)です。

 

ただし、いくつか特殊な美濃囲いもありまして、参考までに3つ紹介します。初心者の人は、「こんな形もあるんだな」くらいに見てください。

 

【参考①】ダイヤモンド美濃

ダイヤモンド美濃

 

左の銀が47まで移動した形です。金銀がダイヤモンドみたいに並んでいるので「ダイヤモンド美濃」。守りはかたいんですが、銀を攻めに使えないので攻撃力が低下するのがネック。

 

【参考②】銀冠穴熊

銀冠穴熊

 

銀冠を組んだあと、▲18香→▲19玉とすみっこにもぐりこむ形です。ここまで組むと、かたいだけでなく、相手の攻めから「遠い」という強みも生まれます。

【参考③】木村美濃

木村美濃

 

木村美濃は、片美濃囲いから、▲46歩⇒▲47銀⇒▲38金と進めた囲いです。中飛車とくみあわせて使うことが多い囲いですね。

 

ちなみに「木村」とは、戦前・戦後の将棋界に君臨した巨匠・木村義雄十四世名人が得意としたことに由来します。

 

 

以上、美濃囲いにくむ手順を解説しました。次の章では、美濃囲いの崩し方・攻め方の基本を解説していきます!

 

美濃囲いの崩し方・攻め方

 

相手の美濃囲いがなかなか崩せず悔しい思いをしたことはありませんか?この章では、美濃囲いの崩し方を解説します。

 

美濃崩しは奥が深すぎてとてもじゃないけど話しきれないので、本当に基本的なテクニックだけ解説しますね。

 

崩し方は大きくわけて次の3パターンです。

 

①:横から崩す

②:縦から崩す

③:ナナメから崩す

 

それぞれのパターンから、代表的な崩し方・攻め方を紹介していきます!

 

①:横から崩す

 

まずは①横から崩すパターンから。下の第11図を見てください。

 

第11図

 

美濃囲いの崩し方でもっとも基本的な手筋が使える局面です。初心者のかたは、どう指すかを少し考えてみましょう。

 

 

 

正解は、▲62銀(第12図)です。

 

第12図

 

一見すると、相手の金でタダで取られるだけの悪い手に見えますが、そうじゃありません。この後の手順を少しすすめてみます。

 

第12図以下の手順

△62同金▲71角(第13図)

 

第13図

 

後手の金をずらしたことで、▲71角(第13図)とうつことができました。これがめちゃくちゃ厳しい!

 

▲71角は王手(次に▲82角成で玉が取れる)なので、後手は△92玉とかわすしかありませんが、そこで▲62角成(第14図)と金をとります。

 

第14図

 

相手陣の金をとりながら、強力な「馬」をつくることができて大成功ですね。

 

このあとは、後手の持ち駒や他の場所の駒次第で、すぐに後手玉を詰ますこともできますし、▲72馬と銀を取って追いつめる勝ち方もできます。

 

この▲62銀は、美濃囲い崩しの基本中の基本です。ほんとうによく出るので、絶対にマスターしましょう。

 

「①横から崩す」のおまけに、少し難しくなった問題を紹介します。下の練習問題①でどう指しますか?正解は記事の最後で発表します。

 

練習問題①

 

【ヒント】ほっとくと51の竜が後手の金に取られてしまいますが、竜を逃げるようじゃダメです。

 

②:縦から崩す

 

2つ目は「縦から崩す」です。片美濃囲いや本美濃囲いに有効な攻め方になります。第15図を見てください。

 

第15図

 

いかにも実戦で出てきそうな局面ですね。横から崩してみたい気もしますが、金銀3枚が守っている「本美濃囲い」なので大変そう。

 

こういうときは、縦から崩せないかを考えます。どう指すかを考えてみてください。

 

第15図以下の手順

▲95歩(途中図)△同歩▲93歩(第16図)

 

▲95歩(途中図)と端の歩をつっかけるのが「縦から崩す」基本です。美濃囲いって端が弱点なんですよ。

 

途中図

 

次に▲94歩と取りこまれるのがイヤなので、後手は△95同歩と取りますが、そこで▲93歩(第16図)とうちます。

 

第16図

 

初心者のかたは、とりあえずこの▲93歩という攻め方を覚えましょう。後手の対応はいろいろありまして複雑ですが、一例を紹介します。

 

第16図以下の手順

△93同香▲85桂△94香▲86桂(第17図)

 

第17図のように進めば最高です。

 

第17図

 

こうなると、つぎに▲94桂と香車をタダで取りながら王手ができます。

 

今回の端攻めのように、相手の守り駒がすくない場所から攻めるのは、将棋の鉄則です。

 

こちらも1つ練習問題を。後手の持ち駒はありません。

 

練習問題②

 

【ヒント】歩をもっていないので、先ほどのように▲95歩の端攻めはイマイチです。他の場所から攻める手を考えましょう。

 

③:ナナメから崩す

 

最後に③ナナメから崩すテクニックです。ナナメに動ける角とほかの駒のコンビで攻めるパターンが多いですよ。それでは、問題の第18図を見てください。

 

第18図

 

この局面は、美濃囲いを一瞬で崩す、というか一瞬で相手の玉を詰ましてしまう手があります。

 

 

 

これは知っている人が多いでしょうか。正解は▲74桂(第19図)の王手です。

 

第19図

 

△74同歩と取られちゃいそうですが、そうすると角のラインがひらくので▲82角成と後手の玉をとれます。だから、後手はこの桂を取れません。

 

きゃべ夫
最初にこの手を知ったときは感動しました。

 

後手は△71玉(または△92玉)と逃げるしかありませんが、▲82金(第20図)と打てば、後手玉は詰みです。(初心者の方は盤に並べてみましょう)

 

第20図

 

 

このように、ナナメから攻めこむと、いきなり相手の玉をうちとれる場合があります。

 

とくに、紹介した角+桂馬のコンビはよく出るので、おぼえておいて損はないですよ。

 

連盟のコラムも読もう!

日本将棋連盟のWebサイトのコラムには美濃囲いの崩し方特集があります。全部無料ですし、勉強になるのでぜひ読みましょう。

 

 

美濃囲いの手筋が身につくおすすめ棋書3選

 

ここからは、美濃囲いの囲い方、崩し方の手筋が身につくおすすめ棋書を厳選して紹介します!おすすめは以下3冊。どれも役立つ本ですよ。

 

 

1冊目:美濃崩し200

著者 金子タカシ
推奨棋力 4・5級~

 

美濃囲いを崩す手筋を集めた手筋集です。難しい問題が多いですが、この1冊を完璧に覚えたらアマチュア二~三段にはなれますよ。

 

きゃべ夫のおすすめポイント!

美濃囲い側の強い受けを読む練習にもなります。振り飛車党にもおすすめ!

 

2冊目:光速の寄せ[振り飛車編]

著者 谷川浩司
推奨棋力 7・8級~

 

谷川浩司先生の名作「光速の寄せ」シリーズの文庫版。振り飛車党・居飛車党どちらでも読める寄せの手筋集です。

 

この記事で解説したような基礎レベルから、高段者向けの詰みの問題まで、幅広いレベルの人が楽しめますよ!

 

きゃべ夫のおすすめポイント!

問題がレベル分けされているので、だんだん難しい問題にステップアップしながら解くことができますよ。

 

3冊目:美濃囲いを極める77の手筋

著者 藤倉勇樹
推奨棋力 10級~

 

アマチュアへの指導力に定評のある藤倉勇樹先生がおくる美濃囲いの手筋本です。美濃囲いの基本的な攻め方・受け方を網羅しています。

 

きゃべ夫のおすすめポイント!

級位者の目線に立ったていねいな解説が特長です。美濃囲いを指しはじめたばかりの人にもおすすめですよ!

 

まとめ:美濃囲いの基本をマスターし、安心して戦おう!

 

今回は、美濃囲いの組み方・崩し方についての基本を解説しました。

 

美濃囲いは、アマチュアの将棋ではほんとうによくでてくる囲い方です。記事で紹介した組み方・崩し方を、ぜひ実戦でためしてくださいね!

 

また、紹介したテクニックはほんの一部分ですので、美濃囲いの手筋をもっと知りたい!という人は、おすすめした以下の本をぜひ読むことをおすすめします。

 

  1. 美濃崩し200 ※ちょっと難しい
  2. 光速の寄せ 振り飛車編 ※初心者から読める
  3. 美濃囲いを極める77の手筋 ※初心者でもから読める

 

今回は以上です。

 

 

練習問題の正解

 

練習問題①

練習問題①

 

正解

▲62金(正解①図)

 

正解①図

 

【解説】

△62同金なら、例題とおなじく▲71角とうてます。△51金と竜をとってきたら、▲71角△92玉▲72金(参考①図)とすすめて、後手玉はうけなしです。

 

参考①図

 

飛車を取られることを気にしちゃダメです。将棋の目的は相手の玉を詰ますことですから。

 

練習問題②

練習問題②

 

正解

▲86香(正解図②)

 

正解②図

 

いろいろ攻め方があるところですが、▲86香(正解②図)がわかりやすいです。これでつぎに▲75桂(参考②図)と数をたして8筋からの突破をねらいます。

 

参考②図

 

参考②図は、つぎに▲83桂成(参考③図)とすれば、美濃囲いを完全に突破できています。32にいる竜がにらんでいるので、後手は△83同銀と取ることができません。

 

参考③図

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