目指せ初段・実戦ワンポイント!~第10回~

こんにちは。

日本将棋連盟公認、「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。

アマチュア級位者の私の生徒さんの将棋を題材に、アマチュア初段を目指す上で重要な、「ミスを減らすためのポイント」をご紹介する「実戦ワンポイント!」。

第10回のテーマは「5段目に相手の銀を出させない」です。

本連載の趣旨や、生徒さんのプロフィールについては、こちらの記事をご覧ください。

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だいたい取ったらダメな歩

それでは、テーマ図を見ていきましょう。

第9回で登場したJさん(将棋ウォーズ3級)の将棋です(Jさんが後手番)。


第1図(▲3五歩まで)


先手は、初手から▲6八銀~▲7九角と指す「嬉野流」と呼ばれる戦法です。

「嬉野流」は、アマチュア強豪の嬉野宏明氏が生み出し、元奨励会三段の故・天野貴元さんが研究を加えた戦法です。

登場したころは「奇襲戦法」の1つでしかありませんでしたが、今や、ネット将棋界隈では普通に指される戦法の1つとして定着した感があります。

▲3五歩と突っかけられた第1図、後手はどのように対応するのが良いのでしょうか。

(第1図以下の指し手)

△3五同歩▲同銀(第2図)


第2図(▲3五同銀まで)


Jさんは素直に△3五同歩と応じましたが、実はこれがあまり良くない手でした。

嬉野流に限らず、居飛車VS振り飛車の対抗形の将棋で、第2図のように居飛車の銀がすんなり3五(後手番だと7五)まで進出できれば、だいたい居飛車が良くなります

第2図以降の指し手

△3四歩▲2四歩(第3図)△同歩▲同銀△2二飛▲2三銀成(第4図)


第3図(▲2四歩まで)


第4図(▲2三銀成まで)


第2図で、後手は△3四歩と打って銀を追い払おうとしましたが、銀を逃げずに▲2四歩(第3図)が手筋の一手。

対振り飛車の急戦定跡ではいたるところに現れる手です。

▲2三銀成まで進んだ第4図は、嬉野流大成功の図です。

以下、△2三同飛は▲同飛成(第5図)で、嬉野流側から見て飛車・銀交換の駒得+龍ができており、嬉野流必勝です。


第5図(▲2三同飛成まで)


奇襲っぽく見える嬉野流の突撃ですが、正しく受けないとこのようにあっという間に壊滅してしまいます。

第3図にさかのぼって、もう少し解説します。


再掲第3図(▲2四歩まで)


△2四同歩は飛車先を破られてしまいましたので、ここは△3五歩(変化1図)と銀を取る方がまだ良いです。


変化1図(△3五歩まで)


以下、▲2三歩成△1五角(王手)▲6八玉(変化2図)のような進行が考えられます。


変化2図(▲6八玉まで)


変化2図の局面は、後手が銀を1枚得しています

そこだけ見てしまうと後手も結構戦えるように見える局面ですが、変化2図も先手が有利です。

先手が次に▲1六歩と付けば、後手の角の行き場所がなく、先手は角を取り返そうな形です。

また、△3六歩のように暴れようとしても▲3八歩と受ければ後手の攻めは続きません。

ここまでの話をまとめると、居飛車が五段目に銀を進出し、▲2四歩と突いた第3図では既に居飛車が有利と言えそうです

今回ご紹介した指し方は、嬉野流に限らず、居飛車VS振り飛車の対抗形の色々な場面で応用できる基本的な攻防です。

繰り返しになりますが、居飛車側は銀をすんなり3五(7五)まで進出できれば成功振り飛車側はそれを防ぐのが基本であるという点は必ず押さえておきましょう。

なお、嬉野流の基本的な変化を知りたいという方は、こちらの書籍がオススメです。

現在指されている嬉野流とは若干形が異なりますが、嬉野流の基本的な狙いや、攻め側・受け側それぞれの指し方のコツはこれで十分抑えることができます。

今回は以上です。
第1図で△3五同歩だけは絶対に指さないようにしましょう。
次回は「では、第1図でどのように指すべきなのか?」を解説します。
級位者の方にとっては少し難しい内容になりますが、丁寧に解説しますので、また読んでいただけると幸いです。

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