こんにちは。
日本将棋連盟公認、「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。
アマチュア級位者の私の生徒さんの将棋を題材に、アマチュア初段を目指す上で重要な、「ミスを減らすためのポイント」をご紹介する「実戦ワンポイント!」。
第12回のテーマは「実戦でも現れる基本的な詰み」です。
本連載の趣旨や、生徒さんのプロフィールについては、こちらの記事をご覧ください。
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居玉をとがめる
第1図はKさん(将棋ウォーズ4級;後手番)の実戦から。
先手が▲7四金と持ち駒の金を打った手に対して後手が△5七角成とした局面です。
第1図(△5七角成まで)
ここで先手は▲7三金(第2図)としました。
第2図(▲7三金まで)
後手番の第2図。
次の一手を考えてみましょう。
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お分かりになった方も多いと思いますが、この局面は△4七桂(第3図)と打てば、後手玉は詰んでいます。
第3図(△4七桂まで)


頭金の形を目指す
第5図で先手は▲7三飛成(第6図)と王手をかけましたが、これはせっかく訪れたチャンスを逃してしまう一手でした。
第6図(▲7三飛成まで)
7三には味方の角が利いているため、竜を取られない安心感はありますが、第6図からは△5二玉▲6二金△4二玉(第7図)と進んで、後手玉が捕まりにくくなってしまいました。
第7図(△4二玉まで)
このように、取られても安心な王手を繰り返した結果、相手玉がかえって安全になってしまうというのは級位者の方の実戦に非常に多く見られます。
第7図も、正確に指せば先手がまだ勝ちではありますが、だいぶもたついてしまいます。
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第5図では、▲7二飛成(第8図)と、1つ先に成るのが好手でした。
第8図(▲7二飛成まで)
△5一玉と逃げると▲5二金の頭金で詰みなので△7二同玉と取るしかありませんが、そこで▲7三銀(第9図)と打ちます。
ここまでくれば、詰みが見えてきた方もいらっしゃるでしょう。
第9図(▲7三銀まで)
△8一玉なら▲8二銀、△7一玉なら▲7二金、△6一玉なら▲6二金と、いずれも「頭金」の即詰みがあります。
頭金は、詰将棋だと一番最初に出てくる基本的な手筋ですが、実戦になるとなかなか見えないものです。
しかし、アマチュア初段を目指すのであれば、第5図のような局面での詰み(5手詰め)は確実に詰ましたいところです。
将棋の勉強として詰将棋を解いている方は多いと思いますが、実戦でも「詰将棋で出てきた手筋を使える部分が無いか?」を常に意識すると、相手玉を詰ませる確率は少しずつ上がっていくのではないかと思います。
基本的な詰め手筋を学びたい方は、浦野真彦先生のハンドブックシリーズがおすすめ。
詰将棋はちょっと苦手で・・・という方は、本間博先生の「実戦詰め筋事典」を読んでみるのも良いでしょう。