こんにちは。
日本将棋連盟公認、「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。
アマチュア級位者の私の生徒さんの将棋を題材に、アマチュア初段を目指す上で重要な、「ミスを減らすためのポイント」をご紹介する「実戦ワンポイント!」。
第24回のテーマは「角換わり棒銀の攻防」です。
本連載で初めて、居飛車の将棋をテーマに解説しています。
本連載の趣旨や、生徒さんのプロフィールについてはこちらの記事をご覧ください。

端は銀で攻める
今回は、Yさん(将棋ウォーズ1級;後手番)の実戦から。
角を交換する「角換わり」とよばれる戦型で、後手が棒銀で端を攻めた局面です。
第1図(△9五歩まで)

第1図以下の指し手
▲9五同歩△同銀(第2図)
第2図(△9五同銀まで)
△9五同銀が大事な一手。
ここで△9五同香と指してしまうと、▲9七歩(変化図)と受けられたときに攻めがとまってしまいます。
変化図(▲9七歩まで)
銀と香の交換で損なようでも、勢いよく銀で進んでいくのが棒銀の基本です。
▲9五同香△同香▲9七歩(第3図)
第3図(▲9七歩まで)
△9八歩(第4図)
第4図(▲7八金まで)

第5図(▲8八銀まで)


後手は8筋を交換して好調に見えますが、▲7五角(第6図)が返し技。
8六の飛車取りと、▲5三角成の両狙いで後手が困ってしまいました。
いい感じで攻めていただけに惜しいところです。
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後手としては、第5図で△9一香(第7図)と打つのが良い攻め方です。
第7図(△9一香まで)

一見、何を狙っているのか分かりにくい手ですが、もしも先手が何もしなければ△9九歩成▲同銀△9七香不成(第8図)と攻めます。
第8図(△9七香不成まで)
最後の△9七香不成が大事なところで、成らずで入ることで9九の銀取りとなり、攻めが厳しくなります。
このように、香車・桂馬は成らずで敵陣に侵入した方が良いケースがあることは覚えておくと良いでしょう。
Advance
ただし、第8図のように攻めたとしても、どこかで▲7五角のように両取りで切り返す手が生じてしまいます。
後手は、5三の地点が弱いまま攻めてしまっているので、常に反撃を気にしないといけなくなっているのです。
そこで、9筋を攻め込む前に1手、△4二玉(参考図)のような手が指せるようになれば初段目前です。
参考図(△4二玉まで)
こうすれば、玉で5三の地点を守ることができますし、場合によっては△3一玉~△2二玉のように玉を深く囲うこともできます。
今回は、棒銀で9筋を攻める場合の基本的な攻防をご紹介しました。
角換わりだけではなく、色々な戦型の棒銀に応用できる基本手筋なので、ぜひ覚えて実戦にお役立て下さい。
次回(第25回)は、今回と同じく居飛車系の戦法である「相掛かり」の基本的な定跡を解説します。
↓↓第25回をアップしました!↓↓
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