目指せ初段・実戦ワンポイント!~第4回~

こんにちは。

日本将棋連盟公認、「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。

アマチュア級位者の私の生徒さんの将棋を題材に、アマチュア初段を目指す上で重要な、「ミスを減らすためのポイント」をご紹介する「実戦ワンポイント!」。

第4回のテーマは、「銀の成る・成らず」です。

将棋は、敵陣3段目以内に自分の駒が入る、または敵陣3段目以内に打った自分の駒を動かしたときに、駒を裏返して「成る」ことができますね。

飛・角・歩は、成ると純粋に威力が増すので、だいたいは成った方が良いです。

桂・香もたまに成らずで活用する場面がありますが、基本は成ることから考えて良いでしょう。

しかし、銀は事情が違います。

銀と、成った後の成銀(=金)の性能差はあまり大きくなく、敵陣に銀が入ったときにどっちが良いのかは迷った経験をした方も多いでしょう。

今回も、Kさんの実戦を題材に、成る・成らずの違いについて考えてみたいと思います。

本連載の趣旨や、生徒さんのプロフィールについては、こちらの記事をご覧下さい。

目指せ初段・実戦ワンポイント講座│ガイダンス

銀の成る・成らずの判断は慎重に!

まず、今回のテーマ図を見てみましょう。

第1図は、先手のKさんの向かい飛車に対し、後手が何の戦型とも言いづらい力戦調の陣形で対抗した局面です。


第1図(△8三同銀まで)


次の1手に入る前に、まずはこの局面がどちらか有利なのかを、少し考えてみてください。

第1図の局面は、駒の損得はほとんどありません(先手が歩を1枚得している程度)ですが、既に先手がかなり優勢な局面です。

AbemaTVの将棋中継の評価値風に言うと、90%対10%くらいの差がついています。

なぜそんなに差がついているのでしょうか?

それは、後手の陣形が悪すぎるからです。

後手の陣形は、玉と飛車の位置が近い「玉飛接近」と呼ばれる悪形です。

なぜ「玉飛接近」がいけないのかは次回の講座で解説しますが、将棋は、基本的には飛車と反対方向に玉を囲うのがセオリーです。

話を戻します。

第1図ではどのように指しましょうか。

5四にいる銀を活用して、相手陣に突入してみたい局面ですね。

Kさんは、ここで▲6三銀と指しました。


第2図(▲6三銀成まで)


それに対し、後手が△6二歩(第3図)と打ち、めざわりな成銀を追い払おうとしました。

この第3図の局面をよく見て下さい。

何か気づきませんか。


第3図(△6二歩まで)


扇子くん
成銀の逃げ場所が無い!!!
そうなんです。
△6二歩と打たれてみると、成銀の逃げ場所がありません
7三・6四には後手の角が、5三には後手の銀が利いています。
そして、成銀(金)になってしまったので、もといた5四には戻れません
これがポイント。
銀をナナメに動かして金に成ると、もといた場所には帰れなくなるのです。
だから、第3図のように取られてしまうような手が生じるのです。
銀を敵陣に入って成るときは、すぐに取り返されてしまう手が無いか、を意識しましょう。
なお、第3図の場合は、▲5六歩(変化1図)と歩を突けば後手の角が詰んでいます。(6四や7三に逃げても先手の成銀で取れます)

変化1図(▲5六歩まで)


つまり、先手は角を、後手は銀を取り合う「角銀交換」になるため、先手の優位はより拡大します。

もしここまで読めた上で▲6三銀成を決行できたのであれば、初段まであと一歩と言えるでしょう。

第1図に戻ります。

再掲第1図(△8三同銀まで)


今度は、▲6三銀不成(第4図)と入ってみましょう。

成ったときと比べて、どのような違いがあるのでしょうか。


第4図(▲6三銀不成まで)

一番の違いは、もといた5四の地点に帰ることができる点です。

すなわち、同じように△6二歩と追い払おうとすると、▲5四銀成(第5図)とできます。

第5図(▲5四銀成まで)


きゃべ夫
今度は、5五の角取りになる「成」の方が勝りますね
もといた場所に成って戻る手は、実戦でたまに現れます。
頭の片隅に入れておくと役立つときがくるかもしれません。
Advance
最後にちょっと応用的な知識をご紹介します。
▲6三銀不成に対して、後手が△5三銀(変化2図)と引くような手も考えられます。
これは、先手の銀が5四に行けないようにして、次に△6二歩と打って先手の銀を取ってやろう、という手です。

変化2図(△5三銀まで)

ちょっと焦りそうになる局面ですが、3手1組の返し技があります。

少し考えてみてください。
正解は、▲8四歩△同銀▲7四銀成(変化3図)です。

変化3図(▲7四銀成まで)

これで先手の銀を助けることができます。
▲6三銀不成(第4図)と指したときにこのあたりまで読めていれば、初段くらいの棋力があるかもしれません。
補足
変化2図の局面で最善の手順は▲8四歩△同銀8三歩△同飛▲7四銀成と飛車銀両取りをかける手でしょうが、▲6三銀不成を指す時点でここまで読めれば、初段の実力は突破していると言えるでしょう。
今回はここまでです。
次回は、記事の前半で説明した「玉飛接近」の形がなぜいけないのかを、本局の終盤戦の局面を題材に考えていきたいと思います。
ぜひあわせてご覧下さい。
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