2020年夏、将棋界は藤井フィーバーにわいていますね。
渡辺明棋聖から棋聖位を奪取し、念願の初タイトルを獲得。
王位戦でも、木村一基王位を破り、史上最年少の二冠となりました。
藤井二冠は、2016年10月のデビュー以来、約4年に渡り現役では最年少の棋士だったわけですが、この度、藤井二冠より更に若いプロ棋士がデビューしました。
その名は伊藤匠(いとう たくみ)新四段。
子どもの頃から藤井聡太少年と同じく天才と目されてきた方です。
伊藤新四段は、9月12日に行われた「第67回奨励会三段リーグ」の16・17回戦で連勝。
2位以内を確定させ、四段昇段(プロデビュー)を決めました。
現役最年少プロ棋士の伊藤匠新四段が誕生 藤井王位より3カ月年下 - 毎日新聞 https://t.co/I1OuLT6pzH
— 名人戦棋譜速報 (@meijinsen) September 12, 2020
今回は、将来、藤井二冠の有力なライバルになること間違いなしの伊藤新四段について、観る将的に知っておきたいポイントをいくつかご紹介します。
[box class="box30" title=伊藤匠新四段の基本データ]
- 氏名 :伊藤匠(いとうたくみ)
- 生年月日 :2002年10月10日
- 四段昇段日:2020年10月1日
- 出身地 :東京都
- 師匠 :宮田利男八段
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棋歴
伊藤新四段は東京都出身。
幼少の頃に将棋を覚え、6歳の頃には将棋大会への参加を始めました。
後に師匠となる宮田八段が指導している三軒茶屋将棋倶楽部や、奨励会員・アマチュア強豪が多く集う蒲田将棋クラブで腕を磨いたようです。
奨励会入会前の棋歴で特に有名なのが、2012年に開催された第9回小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会。
大会の準決勝で同学年の藤井聡太少年と対戦し、勝利しました。
惜しくも決勝で敗れて準優勝に終わりましたが、藤井少年がプロになり活躍するにつれ、この準決勝は非常に有名になりました。
なお、小学生のころの伊藤新四段を取材したテレビ番組を、今でもNHKのWebサイト上で視聴することができます。
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カラフル!(NHK)
https://www.nhk.or.jp/tokkatsu/colorful/?das_id=D0005170263_00000
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子どもの可愛らしさの中に、勝負の世界に身を置くことを既に覚悟している凛とした姿が同居していて、とても魅力的です。
棋風
伊藤新四段の棋譜で、閲覧が可能なものはまだ多くないのですが、棋風は本格派の居飛車党。
相掛かり、角換わりなどを得意としており、切れ味が鋭い将棋です。
特に、第51期新人王戦で若手強豪の増田康宏六段を破り、ベスト16入りした将棋は圧巻です。
師匠
伊藤新四段の師匠は宮田利男八段。
三軒茶屋将棋倶楽部を主宰し、門下生からは斎藤明日斗四段・本田奎五段がプロ棋士になっています。
先の番組では、才能を見出した伊藤少年に対し、厳しくも温かみのある指導をする宮田八段の姿が印象的でした。
余談ですが、宮田八段は羽生善治九段のデビュー戦の対戦相手です。(=四段昇段後、最初の公式戦の相手)
終盤、華麗な「玉の早逃げ」を見せた羽生四段が勝利した将棋で、観る将ならぜひ一度は並べて「伝説の始まり」を味わっていただきたい1局です。
なお、棋譜は「羽生善治全局集(デビューから竜王獲得まで)」に収録されています。
ご家族
藤井聡太二冠のライバル候補に
伊藤新四段は、藤井聡太二冠と同様に、子どもの頃からコアな将棋ファンの間では有名な存在でした。
最近では、同学年の藤井二冠が歴史的な快挙を次々と達成しているため「藤井二冠のライバル候補」として注目されることが多いですが、伊藤新四段自身も紛れもなく将棋の天才です。
今後は、持ち前の切れ味鋭い将棋で、藤井二冠をおびやかす存在になることは間違いありません。
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