西山朋佳三段の強さや魅力を紹介!”女性初の~”と語る次元では無い!

こんにちは。
日本将棋連盟公認の「将棋普及指導員」きゃべ夫と申します。

最近、藤井聡太七段らと並んで、将棋界内外から注目を集めている奨励会員がいます。
それは、関東奨励会所属の西山朋佳三段です。
(「奨励会員って何?」という方はこちらの記事をご覧ください)

2020年3月まで行われた「第66回奨励会三段リーグ」で、あと一歩の次点を獲得したことは記憶に新しい方も多いと思います。

最近は、各種メディアでも西山三段の記事や特集をよく目にするようになりましたが、それらを見て1つ感じたことがあります。

「女性初の○○」って表現が多くないか・・・?

確かに、将棋界では過去に女性で「棋士」になった人はおらず、大変な偉業が達成されるか?と高い注目を集めていることは事実です。

しかし、ジェンダー平等が世界規模で掲げられて久しい現代において、ことさら女性であることを強調しすぎる必要は無いと思うのです。

そもそも、西山三段は「女性の中で強い人」ではなく、「めちゃくちゃ強い奨励会三段」です。

本記事では、そんな西山朋佳三段の基本的な情報と、強さ・魅力について、観る将的に知っておきたいポイントをご紹介して参ります!

基本データ

  • 氏名  :西山朋佳(にしやまともか)
  • 出身  :大阪府大阪狭山市
  • 生年月日:1995年6月27日(満24歳)
  • 師匠  :伊藤博文七段
  • 所属  :関東奨励会(三段)
  • タイトル:女王・女流王座・女流王将
  • 学歴  :慶應義塾大学環境情報学部(休学中)

西山朋佳さんは関東奨励会に所属する奨励会員で、奨励会の中では最高段位の三段まで昇り詰めています。

将棋界では、奨励会を卒業し四段に昇段すると「棋士」としてデビューでき、西山三段はその一歩手前まで到達しています。

そして、前述の通り、西山三段は女性で初の「棋士」になれるか?と注目されています。

ちなみに、西山三段には3歳上のお姉さんがいらっしゃいますが、お姉さんは囲碁のプロ棋士(西山静佳初段)です。

西山朋佳三段について知っておきたいポイント

西山三段の基本的な情報をご紹介しましたが、ここからは、西山三段について観る将的に知っておきたいポイントを解説します。

「女流棋士」ではない

将棋界のことをあまりご存じ無い方だと分かりにくいと思うのですが、西山三段は「女流棋士」ではありません。

棋士」を目指して修行している「奨励会員」です。

また、「棋士」と「女流棋士」は全く別物です。

棋士・奨励会員・女流棋士の違いは、こちらの記事で詳しく説明しておりますので、あわせてご覧下さい!

豪快な棋風の振り飛車党

西山三段は中飛車・三間飛車を好む振り飛車党です。

そして、何といっても特徴的なのは豪快な攻め将棋である点です。

積極的に自分から攻勢を取り、駒がどんどん前に進み、そして斬り合いを恐れることも無い「カッコイイ」将棋です。

攻め×振り飛車党の棋風の色々な棋士と比較しても、その破壊力においては西山三段は相当高いと思います。

今は、出場できる棋戦数に限りがありますが、早くもっとたくさんの将棋を観たいと心から思う、華やかな将棋です。

また、振り飛車党の方には、ぜひ西山三段の棋譜を並べることをオススメします。
踏み込みが良く、並べていて気持ちの良い将棋です。

三段リーグで次点を獲得

西山三段は、2015年12月に三段昇段を果たし、現在、最後の難関である「三段リーグ」で戦っています。

そして、2019年10月~2020年3月にかけて行われた「第66回奨励会三段リーグ」では、最終日まで昇段争いに加わり、「次点」(3位)を獲得しました。

なお、「三段リーグ」では、上位2位以内に入るか次点(3位)を2回獲得すると、四段昇段(プロ入り)の権利を得ます。

奨励会、三段リーグ、次点の仕組みについては、以下の記事もあわせてご覧下さい。

奨励会の仕組み・入会方法
三段リーグと年齢制限
三段リーグの「次点」制度

また、三段リーグ絡みでエピソードを1つ。

「第59回奨励会三段リーグ」(2016年4~9月)では、ご存じの通り、藤井聡太三段が史上最年少でプロ入りを決めたのですが、その最終局の対戦相手が西山三段だったのです。

それまで、西山三段の対藤井戦は2勝0敗だったそうですが、この一番は藤井三段が勝ち、加藤一二三九段をこえる、史上最年少でのプロ入りを達成しました。

竜王戦6組での活躍

西山三段は、現在行われている「第33期竜王戦」の予選にあたる「ランキング戦6組」に出場し、ベスト4まで進出しています。

優勝すると、優勝賞金94万円を手にするとともに、決勝トーナメントに進出することができます。

竜王戦6組は、勢いのある若手棋士が優勝するケースが多いです。

一方、奨励会員・女流棋士・アマチュア選手が優勝した例は過去になく、大きな注目を集めています。

次戦は、超速▲3七銀戦法の生みの親で、現在は「サラリーマン棋士」としても活動されている星野良生四段との一戦で、目が離せません。

残念ながら、西山三段は星野四段に破れ、惜しくも決勝進出とはなりませんでした。
しかし、他にも各棋戦で活躍しており、まだまだ目が離せない対局が続きます!

なお、「竜王戦」の仕組みについては、こちらの記事に詳しく書いておりますので、あわせてご覧下さい。

第51期新人王戦での活躍

西山三段は、若手棋士の登竜門の棋戦として知られる新人王戦でも駒を進めています。

6/23(火)には、若手強豪棋士の青嶋未来六段に勝利し、ベスト8に進出しました。

ちなみに、新人王戦で奨励会三段が優勝すると、次点を獲得することができます。

前述の通り、西山三段は既に次点を1つ保持しているため、この新人王戦で優勝すると2つ目の次点獲得となり、四段昇段(フリークラス編入)の権利を得ます。

次戦は、同じく奨励会員の齊藤三段(深浦門下)との一戦です。こちらも目が離せませんね。

出場可能な女流棋戦のタイトルを独占!

前述の通り、西山三段は「女流棋士」ではないため、全ての女流棋戦に出場できるわけではありません。

しかし、女流のタイトル戦の中には、奨励会員にも門戸が開かれているものがあります。

それが、女王、女流王座、女流王将の3タイトルです。

参考:西山三段の女流タイトル戦 戦歴

※太字はタイトル獲得

女王

2018年 西山朋佳 3-1 加藤桃子

2019年 西山朋佳 3-1 里見香奈

2020年 西山朋佳 3-2 加藤桃子

女流王座

2014年 西山朋佳 0-3 加藤桃子

2019年 西山朋佳 3-1 里見香奈

女流王将

2019年 西山朋佳 2-1 里見香奈

2020年 西山朋佳 2-1 室谷由紀

四段昇段の可能性は?

ここからは、西山三段の四段昇段の可能性について述べたいと思います。

結論としては、四段昇段の可能性は十分にあると考えます。

三段リーグの上位勢のレベルは棋士と遜色ない、ということは良く言われていますが、西山三段も「三段リーグの上位勢」(というかトップクラス)です。

先ほどご紹介した「竜王戦6組」では、惜しくもベスト4で敗退しましたが、トーナメントでは、若手からベテラン棋士まで幅広い棋士を破りました。

四段昇段に必要な実力は十分に備わっていると思います。

そして、前述の通り、新人王戦ではベスト8に進出。

ここでも、決勝三番勝負進出や優勝の可能性は十分にあります。

また、前回の三段リーグで14勝4敗の好成績を挙げていることも大きな実績です。

過去に、14勝4敗以上の成績を挙げたことがある奨励会員が四段に昇段できなかった例は無いため、その意味でも期待大と言えます。

おわりに

今回は、西山朋佳三段の基本情報と、観る将的に知っておきたいポイント、四段昇段の可能性についてご紹介しました。

西山三段の活躍で、より将棋界が盛り上がればいいなと思っています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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