切れ負け?秒読み?将棋のアマ大会の「持ち時間」の基本を解説!

こんにちは。

日本将棋連盟公認「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。

テレビやインターネットの将棋番組を観ている方はご存じだと思いますが、プロ棋士や女流棋士が戦う「棋戦」では、対局に「持ち時間」が定められていることがほとんどです。

また、アマチュアでも、大会の場合は「持ち時間」が定められていることが多いです。

友達同士や親子で気軽に遊ぶときには、時間無制限で行うことも多いと思いますが、競技として将棋を指す場合には、1局の中で考えられる時間に制限を付けることが多いのです。

しかし、一口に「持ち時間」といっても、将棋の世界では様々な種類があります。

今回は、アマチュア大会で採用されている「持ち時間」の基本的な種類とルールを、丁寧に解説いたします。

アマチュア大会の持ち時間

切れ負け

アマチュア大会特有のルールで、あらかじめ定められた時間を使い切ってしまったら負けというルールです。

例えば、「15分切れ負け」の場合は、先に15分の持ち時間を全て使い切ってしまった対局者が負けとなります。

局面がどれだけ優勢でも、相手の玉を詰ます前に時間を使い切ってしまったら負けになるのです。

したがって、切れ負け将棋では、将棋の局面自体の有利・不利と別に、残り時間による有利・不利も考慮する必要があります。

相手の残り時間がかなり少なくなってきたら(1分を切るような場合)、もはや相手の玉を詰ますのではなく、時間切れによる勝ちを狙うような光景が多く見られるようになります。

将棋における勝負の本質をゆがませるルールだ、と批判的に見る向きもあるのですが、大会運営上は非常に便利なルールです。

例えば、先に説明した15分切れ負けであれば、対局開始から30分が経過した時点で必ずどちらかの対局者の時間が切れ、勝敗が決します。

将棋の大会は、貸会議室などの外部施設を借りて行うため、会場を使用できる時間が限られている場合も多いのです。

そのようなときに、いつまで続くか分からない持ち時間ルールで行うのと比べ、必ず一定の時間内に対局を終わらせることができる「切れ負け」は運営がしやすいのです。

また、子どもの将棋大会として全国各地で開催されている「テーブルマークこども大会」の予選では、対局開始から15分が経過すると、そこからは持ち時間3分の切れ負けになるという特殊なルールが採用されています。

参考:テーブルマークこども大会のルール

子どもは基本的に早指しですが、たまに、時間をよく使って考えるタイプの子もいます。

そんな子に「はい、ここから3分切れ負けね!」というのは何とも酷だなあ・・・とちょっと可哀想に感じたりします。(大規模な大会を運営する上では仕方のないことですが)

秒読み

「秒読み」とは、一定の時間を使い切った後は、1手○秒以内で指さなければならないというルールです。

例えば「20分30秒」(=20分の持ち時間を使いきると、その後は1手30秒以内で指さなければ負け)などのルールがあります。

切れ負けと違い、時間の消費のみによって勝ち負けが決まることがないため、対局者が「きちんと将棋を指した」という満足感を得やすいのが特長です。

しかし、長手数の将棋になると、いつまで続くか分からず、大会運営上は不都合が生じる場合があります。(会場を借りている時間内で対局が消化できなくなるなど)

「秒読み」は、「切れ負け」と同様に、アマ大会で採用されている一般的なルールです。

なお、アマチュアの大会で採用されている秒読みは、厳密には「チェスクロック式」といいます。

一部のプロ棋戦における秒読み(ストップウォッチ式)とは違うのですが、それは別の記事にて詳しくご紹介します。

時間は対局時計ではかる!

ところで、切れ負けにせよ、秒読みにせよ、何らかの方法で時間を測る必要があります。

将棋の対局では、対局時計(チェスクロック)と呼ばれる専用の時計を使って時間を測っています。

きゃべ夫
これが対局時計です。切れ負け専用の昔からある時計ですね。
銀将くん
これ、時間がギリギリになると焦るんだよなあ~、めっちゃ時計叩いて針を落とそうとするやつもいるし・・・

上図の対局時計、昔から将棋を指している方だと馴染みが深いでしょう。

時計が2つついており、自分が手を指してボタンを押すと、相手側の時計が動き始めるという仕組みです。

持ち時間に応じて針の初期位置を調整しておき(20分の切れ負けであれば、8時の位置にセット)、時間を使い切って赤い印を完全に通過してしまうと負けになります。

上の画像で紹介した対局時計は一番昔からあるタイプのもので、現代ではかなりハイテクになっています。

時計も電子になっていて、音声での秒読みも可能、持ち時間のルールも多彩と非常に高機能なのですが、2020年6月現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて生産がストップしているそうです。

生産が再開したら、本ブログでも最新の対局時計を紹介していきたいと思います。

地域によって差がある

だいたい、アマチュア大会は上で紹介した「切れ負け」か「秒読み」で行われているのですが、そのどちらが多く採用されいてるのかは、地域によって差があります。

地元の将棋道場で将棋を指したり、将棋大会に出てみるとその地域の傾向が分かるかもしれません。

あくまで私のイメージですが、都市部にいくほど「秒読み」が増え、地域になるほど「切れ負け」が増えるような気がしています。

なお「切れ負け」は時間が切れたら負けのルールなので、とにかく時間を節約する必要があります。

切れ負け特有のコツのようなものもあります。

それは、別記事にてご紹介したいと思いますので、そちらをご覧ください。

おわりに

アマチュアの大会で一般的に採用されている持ち時間ルールである「切れ負け」「秒読み」の基本的なことを解説してきました。

リアルで将棋を指したいという方にとって、持ち時間は必ず必要になる知識です。

ぜひ、本記事や関連記事を通じて、理解を深めていただければ幸いです。

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