叡王戦の持ち時間や賞金は?新時代のタイトル戦を詳しく解説!

こんにちは。

日本将棋連盟公認「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。

以前の記事で、プロの公式戦の中でも特に格式の高い「8大タイトル戦」についてご紹介しました。

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今回は、2017年度からタイトル戦に昇格した叡王戦について、これまでの歴史や、他の棋戦とは一線を画す独特なシステムをご紹介していきます。

叡王戦の基本データ

まずは、棋戦の概要と特徴をご紹介します。

特徴1:ニコニコ動画発のタイトル戦

今でこそ、インターネットでプロ棋士の対局を観戦するのは当たり前になりましたが、その歴史は意外にも新しいです。

ニコニコ動画を運営するドワンゴは、ネット×将棋事業のイノベーターと言って良い存在で、数々のイベントを世に送り出してきました。

特に有名になったのが、人間とコンピューターソフトが対決する「電王戦」。

AIが人間を超えるか否かがギリギリの数年間で、数多くの名勝負が繰り広げられました。

また、解説などで棋士がインターネットに露出する時代が飛躍的に増えた効果も大きく、棋士の個性や人となりといった「棋士ネタ」を楽しむファンが急増。

それが今日の「観る将」という楽しみ方を確立する基礎になったものと私は捉えています。

電王戦は、棋士5人と5つのソフトによる団体戦形式で何度か行われた後、2015年に終了。

その後続棋戦として誕生したのが今の叡王戦です。

2016年度の第2期までは一般棋戦として行われ、2017年度の第3期からタイトル戦に昇格しました。

特徴2:独特な対戦形式

叡王戦には、新時代の棋戦らしく、他の棋戦に無い様々な特徴があります。

段位別予選

2020年7月現在行われている全ての棋戦で唯一、段位ごとに分かれて予選を行います

ちなみに、1992年まで開催されていた「天王戦」は叡王戦と同じく段位別予選が行われていました。(各段2名ずつが本選進出)

挑戦者決定戦(挑決)が三番勝負

叡王戦は、挑戦者決定戦(挑決)が三番勝負で行われます。

8大タイトル戦で、挑決が三番勝負なのは竜王戦と叡王戦だけです。

番勝負の持ち時間が変則的

通常、タイトル戦の番勝負の持ち時間は一定です。(名人戦は9時間、竜王戦は8時間など)

しかし、叡王戦は局によって持ち時間が異なります

複雑なので詳しい説明は割愛しますが、第1~6局までは1・3・5時間のいずれか(2局単位で変わる)、最終第7局は6時間で実施と、実に4パターンもあるのです。

1・3時間のような短い持ち時間で行われるタイトル戦は他には無く、斬新です。

また、全局を通じて「チェスクロック式(1分未満の考慮もカウントする)」が採用されている点も特徴的です。

特徴3:ファン参加型

叡王戦の大きな特徴として「ファン参加型の棋戦」である点が挙げられます。

そもそも、ニコニコ生放送で対局が中継されるため、コメントを通じて視聴者同士、あるいは解説や聞き手の棋士と交流できるという性質を持っていた棋戦でしたが、2019年の第5期では、クラウドファンディングによる支援の募集が行われました。

50,000円以上を拠出した人は、リターンとして、対局の振り駒を行ったり、開始時・終了後に対局室に入室できるという斬新な取り組みが行われました。

きゃべ夫
1,000,000円を出すと、七番勝負の振り駒&見とどけができたそうです。とても出せる金額ではありませんが・・・

藤井聡太先生の鬼門?

各棋戦で爆発的に勝ちまくっている藤井聡太先生ですが、他棋戦と比べると叡王戦は早期敗退が多く、8大タイトル戦の中では「鬼門」と言えるかもしれません。

第3期(2017年)
決勝トーナメント1回戦敗退
第4期(2018年)
決勝トーナメント1回戦敗退
第5期(2019年)
予選敗退
 
扇子くん
決勝トーナメントに2回も出場していて、「早期敗退」ですか・・・感覚がおかしくなりますね

おわりに

8大タイトル戦の中で最も新しい「叡王戦」について詳しくご紹介しました。
2000年代後半以降、将棋界を賑わしている「ネット×将棋」「AI×将棋」といったテーマを語る上で、これからも目が離せない棋戦です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
他のタイトル戦についても、以下の記事にまとめてますのでぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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