以前の記事に続き、初段になった方が、さらにその先のアマチュア三~四段クラスを目指していく上で活きるかもしれないアドバイスをお届けします。
詰将棋から逃げない
私は、長らく詰将棋アレルギーでした。
実戦を指すのは好きでしたが、「問題」と聞くと尻込みしてしまい、ロクに詰将棋を解いてきませんでした。
そして大学生になり、ひらがなも書けない年齢から詰将棋を解いてきた「将棋エリート」たちと将棋部で交わることになり、カルチャーショックを受けたのです。
みんな、めちゃくちゃ解くのが速い!!
9手・11手くらいの長さの問題でもスラスラ解けてしまうのです。
よく、同期の部員が何人か集まって、詰将棋の早解き競争のようなことをやっていたのですが、私はいつもビリ。
その輪に入るのも億劫になり「詰将棋ぼっち」になっていました。
そして、詰将棋を解く能力は終盤力に直結します。
将棋を指しても終盤でいつも「うっちゃり」を食らって逆転負けばかりしていました。
詰将棋から逃げてはダメだ。
さすがの私も認めざるを得ませんでした。
ようやく、重い腰を上げて詰将棋に取り組み始めたのです。
1つ、強く意識したことがあります。
背伸びをしないことです。
自分のレベルを素直に受け止め、自分にあったレベルの問題を解こう。
そう心がけて、浦野真彦先生の5手詰ハンドブックから解きはじめました。
大学1年生の冬ごろだったと思います。
さすがに一目で解ける問題が多いのですが、中には1分考えても分からない問題も。
本番(大学生の団体戦)の秒読みは1分。
5手詰を解くのに1分かかっているようでは話にならないのです。
いわゆる「ガチ勢」の子どもたちは、ハンドブック1周(200問)を25分前後で解いてしまうと聞き、そのレベルに追いつこうと必死に解きました。
結果、周を重ねるごとに少しずつスピードアップしていきました。
詰将棋は反復練習が肝です。
条件反射的に詰ませるようになるくらいまで繰り返し解きましょう。
アマチュア初段くらいまでの棋力に到達できた方なら、きっとできるはずです。
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5手詰が染みついたら次のステップに
何も考えなくても頭の中で駒が動くくらい、5手詰ハンドブックを周回したら、次はもう少し難しい問題にもチャレンジしていきましょう。
オススメは次の2冊。
いずれも解後感の良い問題が収録されており、読みの訓練にぴったりです。
リンク
今回は、詰将棋との向き合い方のお話でした。
詰将棋は、読みの筋肉を鍛えるトレーニングのようなもので、逃げて得になることはありません。
ポイントを最後にもう一度お伝えします。
- 詰将棋から逃げてはいけない
- 苦手な人は自分のレベルを素直に受け止めよう
- 簡単な問題集を何周も解こう
- 詰将棋ハンドブックは永遠のバイブル
紹介した本に収録されている7~9手くらいの詰将棋が抵抗なく、割とすらすらと解けるようになれば、三~四段の棋力にぐっと近づくと言えるでしょう。
次回は、将棋に取り組む姿勢や気持ちの面のお話を書こうかと思います。
抽象論ではなく、なるべく具体的に書ければと思っておりますので、ぜひまた読んでいただけますと嬉しいです。