アマチュアの段位・級位の仕組みや取得方法を解説

アマチュアの段・級の仕組みがよくわかりません。わかりやすく教えてほしい。
こんな悩みにこたえる記事です。
アマチュアの段級の基準はあいまいです。この記事では、そんなアマチュアの段・級の仕組みをくわしく解説します。
アマチュアの段級の種類
世の中には、実に色々な段位・級位の種類があります。主なものは以下です。
- 将棋連盟の大会で認定を受けた段位・級位
- プロ棋士などから認定を受けた段位・級位
- 将棋道場で認定を受けた段位・級位
- ネット将棋や将棋アプリの段位・級位
- ただ自称しているだけの段位・級位
それぞれについて簡単に解説します。
①将棋連盟の大会で認定を受けた段位・級位
日本将棋連盟が主催するアマチュア大会で一定の成績を収めると段位を認定されます。一例をあげると以下です。
段位 | 条件(一部) |
八段 | アマ竜王戦で3回全国優勝 |
七段 | アマ竜王戦で全国優勝 主要アマ棋戦で3回全国優勝(同一大会で) |
六段 | 主要アマ棋戦で全国優勝 |
五段 | アマ竜王戦で県代表 |
四段 | 主要アマ棋戦で県代表 |
これが最もオフィシャルで、基準が厳しい段位の取り方と言えるでしょう。
ちなみにアマチュアの段位には「九段」も存在しますが、これは将棋の普及活動に尽力した人に贈られる名誉的な意味合いの段位です。
≫中戸俊洋氏、渥美雅之氏にアマチュア九段位を授与(日本将棋連盟)
②プロ棋士などから認定を受けた段位・級位
棋士・女流棋士・指導棋士といった「プロ棋士」や、一部のアマチュア(将棋普及指導員)は、棋力の認定権限を持っています。
そうした方々の教室に通い、一定のレベルに到達すれば段位や級位の認定を受けられます。ただ、人によって基準はバラバラです。
あるプロが「まだ3級」といった人が、他のプロからは「初段あるよ」と言われたりします。それだけ、将棋の技量を測るのはむずかしいものなのです。
③将棋道場で認定を受けた段位・級位
町の将棋道場でも段位・級位を認定してもらえます。
一般的には都市圏の道場は認定が厳しく、地方の道場は認定がゆるい傾向にあります。(もちろん、地方にも認定が厳しい道場はあるので一概には言えません)
実際、筆者も地元の将棋道場で「三段」と認定され、ウキウキで東京の将棋会館道場に行ったところ、なんと「1級」を認定されて撃沈したことがあります。
④ネット将棋や将棋アプリの段位・級位
将棋対戦サイトや、将棋アプリの段位・級位を、自分の段位・級位として名乗る人も増えました。ただこれもサイト、アプリによって基準が大きく異なります。
最も厳しいのは「将棋倶楽部24」。ここで初段あれば、普通の町の道場で三段くらいで指せるはず。
逆に緩いのは「将皇」などの将棋アプリです。ここは級位者でもカンタンに「五段」とか「六段」に到達できます(たまにそれを真に受けて堂々と「自分は五段です!」と言う人に出くわしたりします)。
⑤ただ自称しているだけの段位・級位
誰からも認定を受けたわけでもなく、ただ自称しているだけの人も結構います(笑)。
こうした人はプライドが高いことが多く、実際に将棋を指してみて「○段っていう割りには弱くないか・・・?」と感じても、そっとしてあげるのが得策です。
段級の基準はあいまい
以上で説明した用に、段位・級位の取り方、名乗り方には色々と種類があります。そのため、基準もあいまいになるのです。
たとえば「アマチュア四段」でも、アマ大会で県代表になって取った四段と、将棋ウォーズで取った四段では価値がまるでちがいます。
極端な話、将棋ウォーズは棋神(コンピュータが代わりに指してくれる機能)に課金すれば、駒の動かし方を知らない人でも四段になれるし、何なら日本将棋連盟公認の「免状」もそれで申請できます。
「それはおかしくないか?」と感じる人もいるかもしれませんが、免状の発行料(アマチュア四段なら77,000円)は日本将棋連盟の大事な収入源。ビジネス的な事情もあるのです。
プロとアマチュアの棋力は大違い
プロとアマチュアの棋力は全く別モノ。
日本将棋連盟のWebサイトでは、以下のように記載されています。
基準 | 棋力の目安 |
研修会の最低クラス(F) | アマチュア二段相当 |
女流棋士の最低級位(女流2級) | アマチュア二~四段相当 |
奨励会の最低級位(6級) | アマチュア三~五段相当 |
かなり昔から更新されていないようで、いまはもっと厳しくなっているように思います。
女流2級は奨励会6級とほぼ変わらないレベルになっているので、アマチュア四段~五段の棋力は必要ですね。

おわりに
今回はアマチュアの段級について解説しました。ポイントをまとめます。
- アマチュアの段位・級位の取り方はさまざま
- そのため基準もちがう
- プロとアマチュアの段級は全く別モノ
自分の棋力が知りたい人は、お近くの将棋教室や将棋道場に問い合わせてみましょう。認定を嫌がる人はいないはずです。