将棋の「研修会」のレベルは?入会方法や費用を解説!

将棋普及指導員のきゃべ夫です。

皆様は、将棋の「研修会」という言葉を聞いたことはありますか。

 
扇子くん
プロ棋士を目指す子どもたちが修行するところ?
 
きゃべ夫
それはどちらかというと「奨励会」だね。「研修会」は、奨励会のレベルに到達する前の子どもたちが腕を磨くところなんです。

将棋のプロ棋士になるためには、「奨励会」というプロ棋士養成機関を卒業しなければなりません。

ただし「奨励会」に入会するためには、アマチュア四~五段程度の棋力が求められ、非常に高いハードルなのです。

そのため、現在では、奨励会の下部組織としての役割も持つ「研修会」に通い、実力をつけてから奨励会を受験するお子さんが増えています。

現代では、奨励会合格者の半分くらいは研修会経験者だと言われています。

今回は、この「研修会」の仕組みについて詳しく説明して参ります。

研修会とは?

設立の趣旨

日本将棋連盟のWebサイトによると、「研修会」は以下の目的で運営されている機関です。

  1. 将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指すこと
  2. 女流棋士を養成すること

この①には、「奨励会の下部組織(プロ棋士を目指す人が鍛錬する場)としての機能」と「趣味・習い事の延長として将棋を楽しむ場としての機能」の両方を含んでいます。

 
扇子くん
奨励会は、基本的にプロ棋士を志す人しかいませんが、研修会はそうではないんですね。
 
きゃべ夫
そうです。研修会には、将棋を通じた少年少女の教育機関的な要素もあるのです。
また、②に関して言えば、2020年6月現在、女流棋士になるための最もメジャーな方法が、この「研修会」でクラスを上げることです。
研修会に入会した女性が、「B2クラス」に到達すると、女流棋士2級の資格を得ます。

全国4か所にある

2020年5月現在、研修会は全国に4か所あります。

関東研修会

渋谷区千駄ヶ谷の将棋会館で行われています。
幹事は、松本佳介六段、長岡裕也五段、谷川治恵女流五段の3名です。

関西研修会

大阪市福島区の関西将棋会館行われています。

幹事は、大石直嗣七段、西田拓也四段の2名です。

東海研修会

幼き日の藤井聡太七段が所属したことで有名な「東海研修会」です。
名古屋市中区の「万松寺ビル」10F会議室で行われています。
幹事は、中田章道七段、澤田真吾六段、竹内貴浩指導棋士四段の3名です。

九州研修会

2016年に発足した新しい研修会です。
福岡市中央区の「電気ビル共創館」で行われています。
幹事は、中田功八段、豊川孝弘七段、関口武史指導棋士五段の3名です。

北海道研修会(2020年10月開設)

今年10月、北海道札幌市に「北海道研修会」ができる予定です。

日本将棋連盟の日本将棋連盟「北海道研修会」開設のお知らせのページです。日本将棋連盟は伝統文化としての将棋の普及発展と技術…

ただし、新型コロナウイルス感染拡大を受け、正式な開設時期は未定なので、情報が更新され次第、この記事でまたお伝えします。
【2020/8/5更新】
日本将棋連盟Webサイトにて、予定通り2020年10月に北海道研修会が開設されることが発表されました。
詳細は、下のページをご覧ください。

日本将棋連盟の日本将棋連盟北海道研修会開設と募集のお知らせのページです。日本将棋連盟は伝統文化としての将棋の普及発展と技…

どうすれば入会できる?

申込方法

研修会は、いつでも入会希望者を受け付けています。
申込は、ハガキ、メール、FAXでできます。
詳しくは、日本将棋連盟のこちらのページに掲載されていますので、参考にして下さい。

試験

試験は「例会に参加して、研修会員と将棋を指す」という内容です。
4局×2例会で8局の将棋を指し、その結果により所属するクラスが決まります。
一番下のFクラスでも、アマチュア二段程度と、それなりの実力が求められます。
ただ、アマチュアの段級基準は曖昧な部分があります。
既に研修会がある地域に在住で、お子さんを研修会に入れてみたいという方は、近隣の将棋道場や教室の先生に尋ねてみることをおすすめします。
過去の事例から、研修会に入会できるレベルに達しているかを見極めてもらえるでしょう。
近くにそうした環境が無いという方は、「将棋ウォーズの二段、将棋倶楽部24の1~2級」くらいを目安にすると良いでしょう。
(もちろん、将棋ウォーズは棋神を使わず自力で指すことが前提です。)

入会年齢は?

研修会は、20歳以下であれば誰でも入ることができます(女流棋士志望者の場合は25歳以下まで入会可)。
ただ、将来的にプロを目指すお子さんであれば、小学校3~5年あたりであたりで入会するケースが多いようです。
ちなみに、藤井聡太七段は、小学校1年生だった7歳のころに東海研修会に入会したそうです。
そこから僅か10年でタイトル戦に登場というのは本当に驚きですね。
精神と時の部屋」か何かでしょうか?

入会後は?

研修会に入会すると、原則として毎月第2・第4日曜日に開催される「例会」に参加します。
例会では1回につき4局の将棋を指します。
対戦相手は、他の研修会員が多いですが、たまにプロ棋士・指導棋士・奨励会員との駒落ちも指します。
そこでの勝敗により、クラスが上がっていきます。
研修会では、一定のクラスに達すると、「奨励会」に試験無しで編入できたり、一次試験を免除されたりします。
詳しくは、下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
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皆様こんにちは。日本将棋連盟公認「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。以前の記事でもご紹介しましたが、将棋のプロ棋士になるためには、プロ棋士の育成機関である「奨励会」を卒業する必要があります。現在、トップ棋士として活躍している羽生善[…]

なお、近年では将棋ソフトの普及などによりプロ・アマチュア問わず、将棋界のレベルは底上げされています
研修会のレベルも以前よりぐっと上がっており、下のように「研修会C2クラスで将棋倶楽部24で2200点相当」というような話もあります。

将棋倶楽部24の2200点は相当なレベルです。

一般的な町の将棋道場であれば四段~五段で指せる棋力と言えます。

試験料・会費は?

研修会の入会~参加に際しては以下の費用がかかります。
  • 試験料 21,000円
  • 入会金 31,500円
  • 月謝  12,500円/月

これと別に、会場までの交通費もかかります。
決して安い費用ではありません。

ちなみに、私が子どもの頃は、九州研修会はありませんでした。
私の地元(鹿児島県)でも、月2回の例会に参加するため、夜行バスで大阪まで通っている先輩がいて、それはそれは大変そうでした。

おわりに

研修会の仕組みについて詳しくご紹介しました。
棋士を志している方、趣味の1つとして技能を高めたい方のいずれにとっても、研修会は、同年代の将棋仲間が増える刺激的な環境であると言えるでしょう。
年1回しか入会試験が無い奨励会と違い、いつでも入会できるというのもポイントなので、興味を抱いた方は、日本将棋連盟に問い合わせてみることをおすすめします。

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