将棋界の仕組み

将棋の「研修会」の棋力レベル・入会方法・費用を解説

将棋たのしもう!編集部

この記事では、将棋の「研修会」の仕組みやレベルについてお話します。お子さまを研修会に入れたい保護者の方に向けた内容です。ぜひ参考にしてください。

H2前広告

研修会とは?

研修会とは、全国6か所(東京・大阪・愛知・福岡・札幌・仙台)に設置されている、日本将棋連盟管轄の機関です。役割は以下の2つ。

  • 将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指す
  • 女流棋士の育成機関

それぞれについて解説します。

1:将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指す機関

少し長いですが、要するに研修会は「将棋を通じた教育機関」のようなものです。そのため、プロ棋士を目指していないお子さんも入れます。

また研修会は、棋士の養成機関である「奨励会」の下部組織的な役割も持っています。

たとえば、研修会で一定のクラスに昇級すると、奨励会への編入や、奨励会試験の一部免除を受けられます。

2:女流棋士養成機関

2023年4月現在、研修会に在籍する女性がB2クラスまで昇級すると、女流2級としてプロデビューできます

女流棋士になる方法は他にもありますが、今はほぼ全員が研修会経由でプロになっています。

研修会の仕組み:例会の対局でクラスが上下する

研修会には、レベル別の「クラス」があります。入会試験の成績によって、どのクラスに入るかが決まります。

最高がSクラス。以下、A1→A2→B1→B2、・・・と続き、いちばん下がF2クラスです。

研修会入会後は、毎月第2・第4日曜日に「例会」に参加し、ほかの会員やプロ棋士らと将棋を指します。その結果によってクラスが上下します。

具体的には、以下の成績を取ると1つ上のクラスにあがれます。

クラス昇級規定
A・Bへ8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗
C・D・Eへ6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗
F1へ5連勝、7勝3敗、9勝4敗
F2へ3勝3敗

1ヵ月に8局(4局×2回)指すので、連勝が続けば1ヵ月で上のクラスに上がることも可能ということですね。

なお、例会の結果は日本将棋連盟のWebサイトに公開されます。

研修会の入会方法

研修会は、随時、入会希望者を受け付けています。日本将棋連盟Webサイトからも申し込めますよ。

研修会の案内(日本将棋連盟Webサイト)

入会試験の内容は、例会に2回参加して研修会員(または棋士等)と将棋を指すというものです。計8局の結果によって、所属するクラスが決まります。

研修会のレベル

入会レベル(F2クラス)

日本将棋連盟によると、最も下のF2クラスで初段~二段程度の棋力が必要とされています。

実際に研修会員とよく対局している感覚で言うと、私は以下が1つの目安と考えます。

  • 将棋ウォーズ:三段(3切れ、10秒)、二段(10切れ)
  • 将棋倶楽部24:1,500点

町の道場や、コンピュータと指す将棋アプリでの段級は、あまり目安にならないこともあるのでご注意ください。

お子さまを研修会に入れたい場合は、近くの将棋教室・将棋道場に尋ねましょう。過去の事例から、お子さまが入会レベルに達しているか、見極めてもらえるはずです。

女流棋士レベル(B2クラス)

女流棋士になれるB2クラスは相当強いです。奨励会試験の当落ラインとも言われます。

将棋ウォーズ(3切れ)なら六段、将棋倶楽部24でも2,400点は必要です。

ネット将棋やAIの普及で、アマチュアのレベルはどんどん上がっています。今後はもっと厳しくなるかもしれません。

研修会の費用

研修会の入会~参加には以下の費用が掛かります。

  • 試験料 21,000円
  • 入会金 31,500円
  • 月謝  12,500円/月

遠隔地にお住まいの方であれば、これと別に会場までの交通費もかかります。

決して安い費用ではありません。

在籍期間が長くなるほど費用もかさむので、入会試験を受けるタイミングは、お子さまの棋力や年齢を踏まえてご家庭内で検討されることをおすすめします。

まとめ

記事のポイントを整理します。

研修会とは?
  • 研修会は全国に6か所ある日本将棋連盟管轄の機関
  • 研修会にはS~F2までのクラスがあり、例会での成績によって上下する
  • B2クラスに昇級した女性は女流棋士になれる
  • 入会は随時受け付けている。必要な棋力の目安は初段~二段くらい

研修会は同年代の将棋仲間がふえる刺激的な環境です

プロを目指すお子さんや、強い仲間と切磋琢磨したいお子さんを持つ保護者の方は、ぜひ研修会を検討してはいかがでしょうか。

今回は以上です。

記事おわり広告
ABOUT ME
将棋を楽しもう!編集部
将棋を楽しもう!編集部
将棋が大好きなライターたちが、将棋の魅力、楽しさを分かりやすくお届けします!
記事URLをコピーしました