親将むけ

研修会について、もうちょっと詳しく。

将棋たのしもう!編集部

こんにちは。管理人のときんです。

研修会の記事が意外にも関心を持っていただけているようなので、研修会について、もう少し深掘りしてみることにしますね。

今回は、管理人が見聞した研修会に関する知識と所感を共有します。

お役に立てれば幸いです。(※2024年5月8日追記)

研修会の入会テストって、落ちることもあるの?

研修会では、入会希望者に例会2回を通じたテスト(4局×2、計8局)を行います。

テストの手合いは、予めヒアリングした連盟道場の棋力を元に、幹事が決めます。

テストの結果、芳しい結果でなくても、落ちることはまず有りません

(棋力ごとにクラス分けするためのテストなので。)

ご安心ください。

【追記】別なソースを調べましたが、研修会に落ちることもあるそうです。ただ、管理人が思うに、それはよほど棋力的に研修会レベルに届かない水準だった場合と推察します。入会希望される方は、このような悲劇を避けるためにも、テスト前に最寄りの連盟道場の棋力認定を受けることをお勧めします。

研修会では(将棋を)教えてくれるの?

例会の日の朝に、九州、関西、東北では座学の時間がありますが、関東、東海はありません。

皆で一緒に何かを勉強する、個別に棋士が教えてくれるという事も有りません。(感想戦に棋士が参加することはあります。)

あくまで例会は対局の場です。(例会の対局を通じて学ぶということ)

もちろん、月1回の指導対局は「指導」なので、そういう意味では相手のプロの先生から対局時に教えて頂けます。

このほか早く対局の終わった子が他の対局を見て、終局後に先生や何人かで感想戦や検討するということはあるようです。(感想戦が大好きな子はこの時間が楽しみなようです。)

研修会に、手取り足取り教えてくれる「将棋教室」のような機能を求めていると、期待外れになってしまうかもしれませんね。

研修会の「駒落ち」指導

「研修会の駒落ちって、楽勝でしょ?2枚落ちなら自分でも勝てるよ。」

時々、研修会の実態を知らない方などがこのようなことを仰っているのを見聞しますが、それは大きな間違いです。いくらなんでも、プロ棋士の棋力を甘く見過ぎです。

イベントで下手側をじょうずに勝たせる多面指しと、研修会の駒落ちは質が全く異なります

1対1の対局、しかもプロ側は、勝ち負けで報酬が変わるのですから、本気です。

実際に「俺は研修会の駒落ちで負けたことが無い」と豪語する、まるで「駒落ち職人」のような指導棋士の先生や、第一線で活躍する先生方を相手にするのは至難の業です。(稀に研修会の指導でも上手く勝たせてあげることを是とする仏のような先生もいらっしゃるようですが・・・)

ただし、昇級しやすい対局かどうかという視点で見ると、当たりはずれはあります。

例えば、東海研修会の、棋士レーティング32位で1716点の澤田先生と、106位で1514点の柵木先生(いずれも2024年5月時点)がそれぞれ2枚落ちで指導したと仮定して、下手が感じる風圧は同じでしょうか?

・・・このように手合いは同じであっても、勝ちやすさには違いが生じます。

研修会の対局って大会と何が違うの?

研修会の対局の持ち時間は、1局30分、切れたら1手60秒

時間をしっかり使って読みを入れる、じっくりと考える将棋です。

将棋大会、特に小学生向けの子供大会はとにかく早指しが中心です。

(早指しに慣れているお子さんは、最初のうちは研修会で座っていること、時間を使い切ることが大変かもしれません。)

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子供向けの将棋大会では、切れ負けルールのことも多く、これは研修会の将棋とは全く異質なもの、指導者によっては別な競技とすら言いきります。

切れ負けルールの下では、たとえ勝勢であっても、劣勢の方に持ち時間の余裕があった場合、劣勢側がとにかく相手を時間攻めして時間を切らせて勝勢側を負かすという乱暴な終盤が起こり得ます。

ですが、研修会の将棋では、持ち時間が切れても1手60秒の将棋のため、相手を詰ますまで、納得のいく将棋を指し続けられます

(もちろん読み切れずに時間切れとなることもあるので、時間切れが発生しないという意味ではありません。)

なので、別物と、管理人は思っています。

研修会と道場と何が違うの?

管理人の考える大きな違いは3つあります。

  • 途中退席が可能か否か
  • メンバーが流動的か否か
  • 昇級の刻み幅

以下で詳述しますね。

1つめは、道場は好きな時に好きなだけ対局して、気が滅入ったり不調ならば早めに切り上げることが可能ですが、研修会ではそれができません決まった4局を指しきる必要があります。(用事があって予め申告して対局数を減らした場合等を除きます。)

2つめは、道場では常に人が入れ替わりますが、研修会は昇級・降級でクラスを移動しない限り固定メンバーです。これは何を意味するかというと、同じ勝ちパターンでずっと指し続けると、例会ごとに段々相手に研究されて勝ちにくくなるということです。(もちろん、1回の例会で4局とも同じクラスとばかり当たるわけではないので、実際は±1のクラスとメンバー固定になります。自分から見て1つ上のクラスが後手番になるので、先後も固定されます。)

3つめは、昇級の刻みの違いです。将棋連盟の昇級規定より、研修会の昇級規定の方が緩やかになっています。

将棋連盟道場昇級規定

研修会昇級規定

例えば、将棋連盟道場で二段から三段に昇段するためには、12連勝必要ですが、研修会でE~Cの昇級規定は6連勝となっています。

(例:E2からE1へ1クラス昇級するために6連勝ということ)

要するに、1つ1つのステップの刻みが、研修会は半分の連勝で済むようになっており、勝ち星数だけ見れば昇級しやすくなっているのが分かります。

研修会は、月に2回しか対局・昇級のチャンスがありません。皆、その日に向かって努力を重ねているので、ふらっと来て気の向くままに対局できる道場とは1局の重みが違います

道場で浴びるように対局することは、強靭な将棋の体力を養うのに有効でしょうが、研修会ではまた別な、例えば連敗しても次の対局に向かっていくような、メンタル面での強さが鍛えられます。

道場と研修会、どちらにも違う良さがあると思っています。

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研修会に入会すると、大会は参加できなくなるの?

奨励会員はアマチュア大会に参加不可となりますが、研修会員は参加可能です。

研修会の例会で服装の規定はあるの?

奨励会員は、プロ棋士養成機関のため、襟付きシャツに長ズボン(学校の制服)といったきちんとした服装を求められますが、研修会には服装規定は有りません。普段着で大丈夫です。

例会の日の昼食はどうするの?

昼食が支給されますので、持参しなくて大丈夫です。

関東、東海といった規模の大きな研修会では何種類かお弁当が用意され、好きなものを選ぶスタイルのようです。

因みに関東研修会のお弁当は、3種類ほど。お握りにちょっとしたおかずがついたもの、助六寿司といったもので、全体的に量は少なめだそう。

東海研修会は5~6種類で、普通のお弁当のほか、牛丼、coco壱カレー、蕎麦・うどんとお稲荷さんのセットなど、バラエティに富んでいるそうです。

東北は定番のハンバーグ弁当一択のようです。

昼食時間については、関東は午前中2局対局してから昼食、開始時間の遅い東海は午前中1局対局してから昼食となります。よく食べるお子さんには、関東の昼食事情は厳しいかもしれません。

【追記】お弁当が選べない!?こともある

B、Cクラスのように上のクラスに上がるにつれ、対局時間が長くなっていきます。いくら様々な種類の弁当が用意されていても、下位クラスの子たちが先に選んでしまうので、上位クラスの子たちが後から昼食にありつく頃には「選べない」こともあります。

補助食品や飲み物の持ち込みは?

昼食時に飲み物も出ますが、皆さん水筒やペットボトルを持参或いは近くのコンビニや自販機で購入して持参しているようです。補助食品も同様です。

管理人の知人に、研修会の日は、緊張のあまり、朝食、支給される弁当が喉を通らないというお子さんもいらっしゃいました。保護者の方が、そのお子さんの好物を持たせて、少しでも食べられるように配慮していました。

研修会の例会の待ち時間、保護者はどうするの?

研修会の会場には、保護者の待機スペースは有りません。

そのため、例会終了までの間、付き添いの保護者は帰宅するか、どこかで時間をつぶすことになります。

これまで研修会にお子さんが通ってらっしゃる保護者の方々に伺った話では、買い物や公園を散歩、書店巡り、送迎の車内で寝る、ネットカフェやカラオケで休む、ファミレスやカフェで仕事、ホテルのデイユースを使う等々、様々な方法で過ごされていました。

(E、Fクラスのうちは、早指しの子が多いので、終了時間も早いのですが、クラスが上がるにつれ、持ち時間をしっかり使った将棋になっていくので、待機時間も長くなります。)

研修会の月謝自体は他の習い事と比べてそう高額ではないのですが、交通費や保護者の待機する費用まで含めると、色々とお金がかかりますね。

研修会で一番辛いこと

研修会では、皆が皆、昇級という同じ目標に向かって頑張っているので、なかなか昇級できないことがあります。同じクラスで停滞していると、相手に研究されて勝ちづらさに拍車がかかり、益々昇級しづらくなっていきます。

思ったように昇級できない。これが研修会で一番辛いことです。

100mの徒競走をイメージしていただければ分かると思いますが、同じクラスでスタートを切り、周りの子を抜いてゴール(次のクラス)に上がるには、周りの子を上回る速度で走らなければ追いついて追い抜くことはできません。漫然と2週間過ごし、次の例会に参加すると、自分がだらだら過ごした時間分、周りの子たちはどんどん先へ進み、勝てないどころか負けが続いて降級してしまいます。ここが道場と違って辛いところです。

C1とC2、D1とD2のように、大枠で同じクラスの場合、当人はさほど棋力に差は感じないかと思います。E2にあがれれば、コツコツ勉強していれば、遠からず、いずれE1に上がれます。C、Dも同様です。

余談ですが、女流棋士になるための規定が研修会B2からB1に上がり、これを歓迎しない声や怨嗟の声も聞きますが、管理人は、C1からB2に変更された時ほどには影響はないのではないかと思います。大枠でBの棋力があるからです。研修会の手合い表を眺めていれば雰囲気で分かりますが、B2に上がった子は、概ね、早い子で3カ月、遅い子でも半年でB1に上がります。

むしろ研修会に通っていた子に共通しているのは、一番大変だったのはC1からB2への昇級という声です。

もちろん、EからD、DからCに昇級するのも大変です。しかし、それ以上の高い壁が、C1とB2にはあります。やはり、これまで6連勝で昇級できたのが、B2に昇級するには8連勝必要なのが大きいです。

C1まですんなり上がった子でも、B2に上がる時は半年~1年足踏みします。長い子になると数年停滞します。

コンスタントに勝ち続けて調子を上げても、何かの拍子に星を落とすと全てが水の泡。そんな高い壁があるのです。

B2に上がれるかどうかが、女流棋士や奨励会に入会できるかの分水嶺のような気がします。

棋力が伸びているのか分からない

地方から研修会に通っている場合、一番悩むのがこの点だと思います。

次の例会に向かってコツコツ自分の勉強を続ける・・・のみなのですが、これが果たして正しいのか、棋力が伸びているのか、さっぱりわからない。

都会のように頻繁に対局できる道場があれば別ですが、地方都市では研修会レベルの強い子たちと常時指せる場は限られています。オンラインでも、研修会と同じような長い持ち時間で対局相手を見つけるのは困難です。要するに、勉強の成果を検証する場が無いのです。

ではどうしたらいいのか。管理人の考える検証方法は以下の2つです。

①同じ人(大人)と定期的に対局する。

子どもは熟達スピードが速いですが、大人はそんなに成長しません。指標の一つになります。

②前回昇級からの星の並びを良く見る

昇級直後に負け越して(昇級直後で手合いがきつくなるため)、段々と調子を上げて(2勝2敗⇒3勝1敗)、最後連勝で抜けるのがよくある昇級パターンです。昇級してから負け越しが続いている、或いは逆に黒星が増えて調子を落としている(2勝2敗⇒1勝3敗)場合、勉強量が足りていない可能性があります。前述の100m競争の話を思い出してください。皆と同じ速度、即ち同じ勉強量では、昇級は難しいです。

研修会のいいところ

最後に、現役の研修会員に研修会の良さを聞いてみたところ、「皆が本気でぶつかりあうところ、そして終局後にきちんと振り返りをするところ」という答えが返ってきました。

まとめ

研修会は、ハイレベルな子供たちが定期的に集まって時間をかけてじっくり対局をして検討する、例会ごとにその期間の勉強の成果をぶつけ合う、そういう研鑽ができる貴重な場です。

入会をお考えの方に、少しでも検討のご参考になればと思います。

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