藤井聡太先生が炎上した?ひふみんアイとは
藤井聡太先生のデビューから1年半ほどたった2018年2月。ネット上で、藤井聡太先生のある行動が話題になりました。
それは「ひふみんアイ」。ベテラン棋士が苦言を呈して炎上のような騒ぎにもなったこの件について解説します。
ひふみんアイとは?
ひふみんアイとは、今やタレントとして有名になった「ひふみん」こと加藤一二三九段のクセの1つ。
それは、相手の後ろに周り、相手側から局面を考えることです。
相手側から局面を見ると新しい発想が生まれるようで、加藤九段は相手が席を外している間、しばしば「ひふみんアイ」を披露していました。
藤井聡太先生のひふみんアイ
問題になったのは2018年2月1日に行われた、順位戦C級2組9回戦。
梶浦宏孝四段と戦った藤井聡太五段(段位はいずれも当時)は、終盤の切迫した場面で、梶浦四段の後ろ側に回って盤面を見たのです。
ひふみんアイは相手がいない間に見るのに対し、今回は相手や他の対局者がいるときに見ました。
ですから厳密には「ひふみんアイ」とはちがいますが、これが問題になりました。
きっかけはベテラン棋士の神崎健二先生がTwitterで苦言を呈したこと。
「終盤戦の時間切迫局面で、立って後ろから見るのは、マナー違反。隣の両対局者も対局相手も気になっているはず」
神崎健二先生のTwitterより(元tweetは削除されています)
これに対し、ネットでは「直接言えよ」と神崎先生を批判するものもあれば「いやマナーの指摘を叩くのはおかしいだろう」と神崎先生を擁護する意見もありました。
その後、複数の将棋関係者が自身の見解をTwitterで述べるという流れが続いたのです。
ひふみんアイはマナー違反なのか
「ひふみんアイ」はルール違反ではありません。相手がいない間であれば、マナー的にもそこまで問題はないでしょう。
しかし他の人がいるときだと話は変わります。
実際、日本将棋連盟管轄の機関「研修会」では、人が座って対局している様子を、立って見るのはマナー違反と子どもたちに教えています。(私も棋士に注意されたことがありました)
マナー違反になる理由は、対局者や神聖な将棋盤を上から見下ろす感じになってしまうから、ということのようです。
ちなみにテーブルに座って対局している様子を近くから見るのは問題ありません。(もちろん、近づきすぎたり声を出すのはダメ)
そういう意味では、今回の藤井聡太先生の行動をマナー違反と考える棋士がいるのは自然だったわけです。個人的には、対局に没頭している中での行動ですから、そこまで目くじらを立てる必要もないように思いますが。
今回は藤井聡太先生の「ひふみんアイ」についての解説でした。