日本将棋連盟公認「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。
以前の記事で、プロの公式戦の中でも特に格式の高い「8大タイトル戦」についてご紹介しました。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://cabbage-shogi.com/titlematch/]今回は、8大タイトル戦の中から、将棋界の夏の風物詩として定着している「王位戦」について解説します。
王位戦の基本データ
まずは、王位戦の基本的なデータから見ていきましょう。
特徴1:地方紙の連合が主催
王位戦は、地方の新聞社が集まって主催している棋戦です。
新聞三社連合(北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社)に、神戸新聞、徳島新聞を加えた5社が主催しています。
そのため、王位戦七番勝負の対局は基本的に各社の所在地で行われます。
近年では、第1局~第4局(必ず行われる対局)が、北海道・愛知県・兵庫県・福岡県で開催されています。
第5局(4勝0敗で終わらなければ行われる)も、徳島県での開催が続いています。
タイトル戦の対局は、東京都以外で行われることが多いものの、北海道や九州といった地方に毎年必ずやってくるというのが、王位戦の魅力の1つです。

特徴2:独自の「王位リーグ」
- 前期リーグの残留者(4名)
- 予選勝者(8名)
この12名を、紅組・白組2つの「挑戦者決定リーグ(王位リーグ)」に振り分けます。
2020年度の第61期王位戦を例に、実際のリーグ表を見ていきましょう。

王位戦のちょっとマニアなデータ
それでは、観る将向けのデータも少しご紹介します。
王位戦の記録は羽生先生・大山先生が大半を占めています。
なお、王位獲得の最年少記録は、第61期王位戦で藤井聡太棋聖が達成した18歳1ヵ月。
郷田真隆九段が四段の時に達成した記録(21歳)を塗り替えました。
ちなみに、現在では「四段の棋士がタイトル挑戦を決めた時点で五段に昇段する」という昇段規程がありますので、四段のままタイトル戦に出場したり、タイトルを獲得するということは起こりえません。
おわりに
将棋界の夏の風物詩「王位戦」について解説しました。
2020年度の第61期王位戦は、最年長初タイトルを記録した木村王位に、藤井聡太七段(挑戦中に初タイトルの棋聖獲得)が挑む、注目度の高いシリーズです。
どのような展開が続くか、目が離せないですね。
結果は差が付きましたが、どの将棋もギリギリの攻防が続いた熱局ばかりでした。
両先生、お疲れ様でした。
他のタイトル戦についてはこちら↓
[archivelist cat=60 num=8]