王位戦ってどんな棋戦?ルールや賞金などを解説!

日本将棋連盟公認「将棋普及指導員」のきゃべ夫です。

以前の記事で、プロの公式戦の中でも特に格式の高い「8大タイトル戦」についてご紹介しました。

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今回は、8大タイトル戦の中から、将棋界の夏の風物詩として定着している「王位戦」について解説します。

王位戦の基本データ

まずは、王位戦の基本的なデータから見ていきましょう。

特徴1:地方紙の連合が主催

王位戦は、地方の新聞社が集まって主催している棋戦です。

新聞三社連合(北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社)に、神戸新聞、徳島新聞を加えた5社が主催しています。

そのため、王位戦七番勝負の対局は基本的に各社の所在地で行われます

近年では、第1局~第4局(必ず行われる対局)が、北海道・愛知県・兵庫県・福岡県で開催されています。

第5局(4勝0敗で終わらなければ行われる)も、徳島県での開催が続いています。

タイトル戦の対局は、東京都以外で行われることが多いものの、北海道や九州といった地方に毎年必ずやってくるというのが、王位戦の魅力の1つです。

きゃべ夫
私も福岡県在住なので、王位戦の対局は毎年の大きな楽しみです!
なお、七番勝負の持ち時間は八時間。1局を2日間かけて戦う「2日制」が採用されています。
開催時期が真夏(7~9月)ということもあり、将棋界の夏の風物詩として定着しています。

特徴2:独自の「王位リーグ」

王位戦の対戦方式で最も特徴的なのは、2つに分かれたリーグ戦を行うことです。
リーグに参加する資格を持つのは以下の12名。
  • 前期リーグの残留者(4名)
  • 予選勝者(8名)

この12名を、紅組・白組2つの「挑戦者決定リーグ(王位リーグ)」に振り分けます。

2020年度の第61期王位戦を例に、実際のリーグ表を見ていきましょう。



紅組・白組6人ずつに分かれ、総当たりで対戦します。
そして、各組の優勝者が挑戦者決定戦に進出します。
なお、同じ勝ち数で並んだ場合はプレーオフが行われます。
今期の場合だと、それぞれのリーグ戦を全勝で勝ち抜いた永瀬拓矢二冠と藤井聡太七段(肩書は当時)が対戦。
結果はご存じの通り、藤井七段が勝ち、王位戦七番勝負進出を決めました。
ちなみに、王位リーグは、各組上位2名しか残留できない厳しいリーグです。
また、上位棋士のシードも他棋戦よりも少ない(予選1回戦が免除される程度)ため、上位棋士でも安定してリーグ戦に参加し続けるのは至難の業です。
きゃべ夫
そんな中、羽生善治九段は1993年度から28期連続でリーグ以上の成績をキープしています。(王位獲得18期を含む)
羽生先生のこの記録、凄まじいですね。
1人の人間が生まれてから、おじさん一歩手前になるくらいの間、ずっと王位に就いているか、王位リーグに参加を続けているってことです。
羽生先生が作った数々の記録の中でも、5本の指に入る大記録では?と思います。

王位戦のちょっとマニアなデータ

それでは、観る将向けのデータも少しご紹介します。

王位戦の記録は羽生先生・大山先生が大半を占めています。

なお、王位獲得の最年少記録は、第61期王位戦で藤井聡太棋聖が達成した18歳1ヵ月。

郷田真隆九段が四段の時に達成した記録(21歳)を塗り替えました。

ちなみに、現在では「四段の棋士がタイトル挑戦を決めた時点で五段に昇段する」という昇段規程がありますので、四段のままタイトル戦に出場したり、タイトルを獲得するということは起こりえません。

おわりに

将棋界の夏の風物詩「王位戦」について解説しました。

2020年度の第61期王位戦は、最年長初タイトルを記録した木村王位に、藤井聡太七段(挑戦中に初タイトルの棋聖獲得)が挑む、注目度の高いシリーズです。

どのような展開が続くか、目が離せないですね。

第61期王位戦七番勝負は、挑戦者の藤井聡太棋聖が、木村一基王位に4勝0敗で勝利し、王位を獲得しました。棋聖とあわせて二冠となりました。
結果は差が付きましたが、どの将棋もギリギリの攻防が続いた熱局ばかりでした。
両先生、お疲れ様でした。

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