矢倉の基本的な駒組みや戦い方を勉強したいです!
こんな疑問にお答えします。
この記事では、将棋講師をしているぼくが、矢倉のおすすめ本を棋力別に10冊ご紹介します。
記事で紹介している本を読めば、どんな形の矢倉にも、ひととおり対応できるようになりますよ!ぜひ参考にしてください。
もくじ
矢倉のおすすめ本【級位者むけ】
さっそく、矢倉のおすすめ本を棋力別にご紹介していきます。まずは、級位者向けのおすすめ本から!
1冊目:『初段に勝つ矢倉戦法』
最初にご紹介する1冊は、『初段に勝つ矢倉戦法』です。
矢倉の大家・森下卓先生の著書で、矢倉の基本的な駒組みや序盤の注意点がていねいに解説されています。
アマチュアに人気な、スズメ刺し・矢倉棒銀・矢倉中飛車などの急戦の基本も学ぶことができます!
級位者向けの矢倉の総合入門書として、使いやすい1冊です。
2冊目:『矢倉の基本 駒組みと考え方』
本格派の居飛車党、西尾明先生が、矢倉の様々な形の組み方・攻め方を解説した本です。
指し手だけなく、その背景にある「考え方」まで示しており、基礎力を高めることができます!また、比較的新しい本(2017年発売)で、現代のトレンドにも対応できる内容です。
急戦系(右四間・矢倉中飛車・米長流急戦)の解説が豊富なので、急戦志向の方に特におすすめです。
3冊目: 『羽生の法則 3 玉の囲い方・仕掛け方』
4冊目は『羽生の法則 3 玉の囲い方・仕掛け方』です。
駒ごとの上手な使い方(手筋)や、各戦法の仕掛けなどを網羅的に解説する「羽生の法則」シリーズの1冊です。本書も全ての戦法を広く扱っており、矢倉の基本的な戦い方もしっかりと紹介されています。
矢倉が組みあがった後の仕掛け方、その後の戦い方が分かります!
矢倉って、組んでからの戦い方が難しいよね。
4冊目:『矢倉で勝つための7つの鉄則と16の心得 』
4冊目は、『矢倉で勝つための7つの鉄則と16の心得』です。序盤でいきなり敗勢におちいらないための「鉄則」と中終盤で相手に差をつける「心得」を解説した本です。
鉄則や心得はワンフレーズでまとめられており、戦い方の指針を理解しやすいつくりになっている1冊です!
定跡に関係なく使える「考え方」が身につくから、実戦に活きるよ!
5冊目:『光速の寄せ 矢倉編』
5冊目は、『光速の寄せ 矢倉編』です。いわずと知れた谷川浩司先生のベストセラーシリーズ「光速の寄せ」の文庫版第2巻です。
矢倉の寄せ方・詰め方が身につく講義・問題がふんだんに盛り込まれており、終盤戦でライバルに差をつけることができます!
矢倉の手筋(崩し方)は、矢倉の崩し方(日本将棋連盟Webサイト)で勉強するのもおすすめです。
矢倉のおすすめ本【有段者むけ:急戦】
ここからは、有段者向けの本をご紹介します。2021年現在は、先後問わず急戦系の矢倉がトレンドになっていますね。まずは急戦系の本から。
6冊目:『常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦』
2020年度の第79期A級順位戦で優勝し、渡辺明名人への挑戦を決めた斎藤慎太郎先生の著書です。長らく当たり前だった5手目▲6六歩に対して、後手から急戦を仕掛ける指し方を解説しています。
ハマれば一瞬で勝てる切れ味を身につけることができます!
5手目▲66歩、プロでは絶滅したけどアマチュアの将棋ではたまに出るよ。
7冊目:『矢倉は終わらない』
増田康宏先生の「矢倉は終わった」発言(2017年)から約4年後に出版された1冊。AIに侵食された矢倉を復権させるべく、佐藤秀司先生がまとめた定跡書です。
左美濃急戦の出現以降、激変した矢倉の歴史をたどりながら、最新系を学べます!
増田先生が「私もこの本で勉強します」とコメントを寄せているのもGood。
矢倉のおすすめ本【持久戦】
いくら急戦がトレンドといっても、おたがいがガッツリ矢倉に組み合い、全ての駒が躍動する相矢倉はロマンがありますよね。
ということで最後は相矢倉のおすすめ本を紹介します。矢倉党なら教養として必読です。
8冊目:『矢倉の急所【4六銀・3七桂型】』
8冊目は、『矢倉の急所【4六銀・3七桂型】』です。十八世名人の資格を持つ森内俊之先生の名著です。
2002年から2015年までの13年間、羽生善治先生と森内俊之先生のどちらかが名人位に就くという二強時代が続きました。その時代を彩った戦法の1つが「4六銀・3七桂型」。
とにかく攻めの手順が美しい。盤に並べるだけで将棋が強くなります。
ぼくが大学生のころ、全部の内容を完ぺきに暗記した唯一の本です笑
9冊目:『矢倉5三銀右急戦』
9冊目は、『矢倉5三銀右急戦』です。序盤の定跡研究に定評のある村山慈明先生の本ですね。本書は、後手が下図のような構えから急戦をしかける形を掘り下げています。

この戦法は、「100年に1度の大勝負」として伝説に残る第21期竜王戦(渡辺竜王VS羽生名人)のラスト2局で指された戦法です。(くわしくは竜王戦とはどんな棋戦?をご覧ください)
プロの実践例を豊富に紹介し、時間の流れにそって分かりやすく解説されています!
10冊目:『変わりゆく現代将棋』
最後に紹介するのは、『変わりゆく現代将棋』です。本書は、羽生善治先生が、矢倉の5手目の最善手(▲77銀か▲66歩か)を掘り下げた本で、上下巻の2巻構成です。
羽生先生の思考を忠実に再現した1冊で、「将棋ってこんなに奥深いんや・・・」と感じることができます。
実用というより、マニア向けの1冊だね!
まとめ
今回は、矢倉のおすすめ本をご紹介しました。ぜひこの記事で紹介した本を役立ててくださいね!
また将棋の本をたくさん読んで強くなりたい!という人には、Amazonが提供している「Kindle Unlimited」がおすすめです!
月額980円で数百冊の棋書が読み放題。紙の本を1冊買うお金で、その気になれば100冊でも200冊でも読めますよ!
30日間の無料体験もついているので、まずはお気軽に試してみましょう。